着ぐるみパンダさん 2020-08-02 17:23:34 |
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貴重な意見をありがとう……正面から戦っても勝算は無い、そう、そうなんだ……。
【前髪をゆっくりと弄り始めるのは、物事を考える時にする癖だ】
【何でもやるというゼクシアの言葉に、まるで感情が無さそうなステラの瞳が、書類と彼女の間をゆらゆらと行き来する】
……帝国は自分から一度始めてしまった戦いをそう簡単にはやめられない、かといって王国も今更和睦や降伏なんて考えられない……。
戦いは長期化するばかり……だから何か、何か大きな動きが必要で、その為のダウファールでもあって……。
【独り言か或いはゼクシアにも聞かせようとしているのか、そのどちらかも曖昧な声で呟きながら】
【不意にその視線がゼクシアに向いて止まった、青混じりの灰色が、静かに彼女を見つめている】
君はさっき、要塞の内側に敵を作ることは一朝一夕では不可能だと言った……それは正しい意見だ、だから敵国内に内通者をコツコツと0から作るなんてことはしない……。
……要は相手が、自ら帝国兵を要塞内に招き入れてくれれば良い。
【前髪をくるくると巻き上げながら、表情は何も変わらない】
【変わらないまま言葉を紡ぐ】
例えば「王国の鎧を身につけた負傷した女性兵」が助けを求めて来たりしたら、彼らはきっと助けようとするだろうね。
その兵を助けてからしばらくして、何故か、要塞内の武器庫や食糧庫から「火」の手が上がる。
……そればかりじゃない、火薬類は「水」でも浴びせられたのか湿気で使い物にならなくなるし、無数の投石車も突然の「雷」や「風」に壊され吹き飛ばされて滅茶苦茶になる……。
要塞全てが無力化されなくても、弱体化は免れない。
【そこまで言ってから、ステラは静かに瞼を閉じた】
……そしていつの間にか、助けた筈の女性兵がその姿を消している、それは彼女がどこかに逃げたからか、或いは……その騒ぎの中で死んでしまったからなのか。
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