（◎）獅子と影人【しし と かげびと】【参加者無制限/荒廃世界/獣人/フリーダム】

＞20 ピエニ

うわっ！？
（幾らかの後ろめたさとそれが引き立てる緊張感の中で、次の瞬間には獲物に飛びつこうとしたまさにその直前、耳に届いたよく通る声は、相手の本心はどうあれ、まるで己の算段を咎めるかのように響いて。踏み出そうとした足に咄嗟の躊躇が生じれば、バランスを崩してしまって、どすんと後ろに尻餅をつき。キョロキョロと声の主を探せば、ようやく視界の中に影人以外の存在を見つけて、相手を見つめたまま）
……人がいたのか、気付かなかった。。


（/改めてよろしくお願いします♪）

>>ジャック

動かないで。何にも触らずそのまま

(声質から判断出来たのは異性に属する存在かつ記憶には無い誰かであるという事のみ。何らかの因果でやや重いものが倒れたと思われる音に耳の産毛が逆立ち、その後次第に元の位置に戻ると共に身体の強張りも解けて次の言葉を放ち。いざとなれば瞬時に逃げ出す覚悟は握りしめたままに一歩また一歩とにじり寄り、己と相手の呼吸音を確かめでもするかのような沈黙が流れ。先ずは危険か否かを知らなくてはなるまい。片手で制しつつ慎重に尋ね)

貴方は知らない人。教えて下さい、森には何の用があって来たのですか

>ジャックさん

用と言えば用だな、光人から聞いたんだがこの辺りで影人を襲う存在がいるらしいんだが知らないか？

（振り向いた相手を見れば状況を整理させる。影人を見ていた相手、相手の前にいる影人達、その状況を確認した後で用件を言う。警戒をしながらも、もし相手がその存在であれば攻撃出来るように多少の距離は開けて）

>ピエニさん

あっピエニさん、あの時はお世話になりましたね。あれ？迷い子ですか？良ければ俺の事務所の中に入ってください

（声をかけられた方へ頭を振り向かせれば以前お世話になった相手がいて、そのお礼を言った後相手の隣で泣いている子供を見れば状況、天気を見て判断すれば相手と迷子の子供を事務所の中に案内して）

＞22 ピエニ

お……おれはジャン・ジャック。ただの旅人だ……ここには、その、水でも飲もうと立ち寄っただけで。
（警戒した様子ながらも、少しずつ距離を詰めてきた相手はどうやら女性で。やや離れた位置からでも、その顔立ちから獣人らしいことも察せば、最初よりも緊張は解け。しかし、真実を述べるにはハードルが高く、今は人型を取っているものの、それでもどこか野性味を宿す緑の瞳をやや泳がせつつ、ベージュの耳は後ろに寝かせたまま、ぼそぼそと言い訳のように言葉を紡いで）



＞23 ローガン・ロペス

え？……なんだそれは。知らない！俺は知らないぞ！
（獣人である相手に警戒を緩めかけたのも束の間で。相手の口から飛び出してきたのは "影人を襲う何者か" の話、先程の町は通りすがったばかりなので、悪い噂が撒かれるには不自然かと推測できるが、如何せん、今やろうとしていたこととはシンクロしており。咄嗟に動揺を押し隠すことも忘れて、語気強く否定すれば、影人に隠れるように潜んでいた木の幹を片手で握りしめつつ、相手の瞳に射抜くようでありながら、一抹の寂寥を映した視線を返して）
……大体、もし知っていたら、お前さんは何だと言うんだ？

　

◇名前・ハルド
◇種別・獣人(トカゲ)
◇性別・男
◇年齢・？？？
◇外見・成人男性・髪が異常に長いストレート。身長は180くらいで手足が長い。
◇性格・何を考えているのかわからない。周りを惑わせるのが得意
◇備考・ゆらゆらと放浪し続ける一人・・・もとい、一匹のトカゲ男。職業、戦闘スタイル、生活、敵なのか、味方なのかさえ、すべてが謎であり、その謎を知っているものは誰一人としていないという。


(初参加です。こんな感じでよろしいですか・・・？)

>ジャンさん

そうか、知らないか…あっ悪い、まだ言ってなかったな。俺はローガン・ロペス。この街で用心棒をしている者だが光人から依頼を頼まれてな、それでここに来たという訳だ。だからもしお前がその犯人なら俺はお前を倒さなくてはならなくなるかもしれないという事を言っとくぞ

（相手の動揺、否定の仕方を見れば未だに信じられない様子である。確かに言ってなかった事を思い出せば自己紹介、ここに来た理由、相手への警告を出して）

＞25 望月様

（/参加希望ありがとうございます！ しかし、PFを拝見したところ、ちょっと情報が少ないですね。現時点では参加許可を出せかねます。外見、性格、備考ともに絡みを考える上で重要視していますので、もしもまだご参加を希望してもらえる場合、他の方のPFや、あるいは私のPFを参考に再提出をお願いいたします。申し訳ありません）

＞26 ローガン・ロペス

依頼…？犯人…？ふん、心当たりがないな。…大体、影人なんて自我があるのかも分からない存在。仮に襲ったところで咎められる筋合いなどないはずさ……
（沈着な相手の様子に連れられるかのように、こちらも徐々に落ち着きを取り戻せば、少し不満そうな表情になり、改めて相手の探し人と自分は無関係だと断って。だけれど、その後に続けたのは、ささくれた反発心ゆえなのか、影人への略取を肯定するような論であり。秩序など失われた世界、だからこそ、自分の気持ち一つで他者を裁く者もありふれていて、そういった者に雇われる人もいることも頭では理解しつつ、本意では納得しきれず。後半はやや小声になり、視線を下方にそらしつつも、弾いた言は言い切って）

　

>>ロペス

お世話だなんて…寧ろ私達が貴方にお世話になっています。踊り子仲間が暴漢に襲われた時、貴方が居なければもっと悲惨な結末を迎えていました

(鼻腔を掠める雨の匂いは最近血腥さを増している気がする。知能の高さ故に世界の均衡をも崩しかねない光人達の行き過ぎた振る舞いもそう、邪霊が齎す不穏な全ても雨に混じり土を腐敗させていくような心地がして沈んだ表情につい変わりそうなのを堪え言葉尻を和らげて。恩人である相手へ深く頭を下げれば子どもを先に扉の中へと促し。マントのフードを後ろへずらしバスケットを下に置き、改めて向き直ると子どもの濡れた髪を服の袖で拭いながら託したい事項を語り始め)

ロペスさん。今回は母親探しを依頼したいのです。報酬でしたら私から必ず払います、どうかお願いします

>>ジャック

嘘、貴方は今嘘を吐いている。旅人なら私に遠慮などしなくて良い筈です

(腕を伸ばしても直ぐには届かないと思われる位置で歩み寄る足を止め、口籠る見知らぬ獣人の様子を見ても今のところは害になる要素は見受けられず、静かに否定する事で敵意が無いのだと伝えようとして。影人は相変わらず木陰に溶け込んで消えてしまいそうな存在感を意図せず醸し出すばかり、しかも現れた相手は余所者一人なのだから攻撃も防御も必要無しと判断した上で微かに捉えた姿を見詰め。踵を返し水際へ来るようにと黙って誘いかけ、脱いであった被服を拾い上げ再び相手が来るのを待ち)

森は今踏み入る人々が居ない為に静かですが、町に入れば少なくとも宿は見つかるでしょう。お望みなら案内します、ジャックさん

＞29 ピエニ

…………っ！
（声色こそ静かで落ち着いたトーンであるものの、己の虚偽をはっきり指摘されてしまっては、ぐっと喉がつまり。しかし、その後に相手が続けたのは追及でも糾弾でもなく、親切なぐらいの提案で。どことなくクールな雰囲気だが物腰も柔らかな相手の挙動に、はたと我に帰れば立ち上がり、茂みから抜け出て、水辺へと。全体像も露に、改めてそこでまじまじと相手を見つめては平静を取り戻した声音で）
随分親切だな……お嬢さん、君の方こそ、あの町の子なら何たって今は一人でこんな寂しいところにいるんだい？

　

>>ジャック

たくないから…あの騒ぎの中には居たくないから

(明らかに草食の獣人とは異なる微かな匂いの持ち主から視線を水面へと移し、"あの騒ぎ"とは具体的に何であるのかを言わず小さく首を振り。この町も最期の安らぎを見出せる場所では無い。だからとて旅人だからこその迎えずにはいられない不幸に同情を示すのは如何なものだろうか。あくまでも第三者として接するべきと胸の内で己へ語りかけ、手頃な葉を拾い水をそっと掬い。垂れないようにもう片手で工夫しながら緑の瞳の前へ差し出して頷いてみせ)

私はピエニ。疲れたでしょう、先に喉を潤して下さい

>ジャンさん

そうか、俺の勘違いみたいだな…すいませんでした…だけどその発言には気を付けた方が良いぞ？確かに人には善人もいれば悪人もいる、もちろん貴方が言った事も事実だからそういう考えを持つ人もいる事は確かだ…だけど影人と仲良くしたい、そんな人もこの街にはいるんだよ。その人の依頼で俺はいる。もし貴方が影人を襲う人だったとしてもその事を知っておいてほしい

（犯人ではない事はまだ確認出来ていないが謝り、相手の発言が気になったのか謝った後で影人と仲良くしたい光人の事について話せば相手の様子を見て）

>ピエニさん

やれやれ、暴漢にも困ったものだがそれが仕事だからな。何よりピエニさんの仲間が無事で良かったよ。さて仕事の話だな？良いぞ。報酬は後払い、この子供の母親が見つかったらで構わないからな…さてそこの女の子、お母さんといつどこで迷子になったか分かるか？

（光人の暴漢に襲われていた踊り子仲間の事を思い出し、光人の悪人の事で溜息を漏らしながらも仕事だからと割り切る。無事な事に安心しながらも仕事の依頼を承諾する。目線を女の子に合わせれば迷子になった時の事を尋ねて）

＞31 ピエニ

な……ありがとう。

（こちらの質問に返された相手の言葉は曖昧で、その挙動から、何となく問いつめるような語を繋ぐのも憚られ、ただ立ち尽くしていれば、自然な仕草で目前に差し出されたのは飲み水で。予想外の暖かな対応に計らずとも少々頬に朱が差してしまい。しかし、すぐに自分でそれに気付いては、他の人には悟られまいとするみたいに、素早く相手の手から水を湛えた葉を受けとり、ふいとそっぽを向いて。一気に飲み干した涼やかな清水は美味だったが、空になった葉を湖面に落とす頃には渋い表情となり、やはり相手の前で影人を狩るには抵抗を覚え、ここは素直に町へ戻ろうと、森の外へと続く小道の方を見やりつつ）

ピエニさんか……良い名前だな。宿の他に果物屋もあれば嬉しいんだが、お礼はするよ、案内をお願いできるかい？

　

＞32 ローガン・ロペス

ふ、仲良くなりたい……そういう事情か。ロペスさんと言ったな。影人を襲う奴だって、好きでそうなっているとは限らない……

（依頼に忠実で実直そう、爽やかなぐらいで下卑た印象など感じさせない相手の言葉に、かえって少し寂しげな表情となれば、弁解するような言葉を繋ぎ。辺りには何の警戒心も感じさせず、黒や紫、青などの色をした影絵のような人々が普通に存在しており。今、相手の前で彼等を捉えて喰らってしまったらどうなるだろう……当然飛びかかられることだろう、本来は会ったばかりで争う理由などないはずなのにと夢想すれば、いよいよやるせないようで小さく息をつき。そう、争う理由などないと思い直すと、相手に向かって渋味のある笑みを向けて）

その依頼、君はどれくらいの価格で引き受けたんだ？

　

>>ロペス

お陰様で今は彼女自身ももう持ち直しています、あれ以上の傷を残さなくて良かった…

(誰かに従うという生き方から逃れてきた身からしてみれば、独りで事務所を切り盛りしながらも"雇われ"で生計を立てている獣人の真意はどうしても読めない部分が在る。当たり障りない口調でその後を伝えた後、訊いてみたいが訊いてはならないような矛盾に揺れる心の遣り場を失いおずおずと半歩後退して。報酬の支払いについて了承した旨を頷きにより示し、ベソをかいた後の赤らんだ頬が愛らしい少女と獣人のやり取りを見守る姿勢に入り。迷い子はしげしげと立派な狼頭を眺めていたが「ワンちゃんだ！」等と指差し表情明るくなり、その場でワンちゃんを連呼しながら「とけいがみえるとこ！りんごのね、あまいあめがあったから走って、そしたらママいなくなっちゃった」とやや興奮気味に捲し立てて)

>>ジャック

お礼はいりません。それよりも貴方自身の心配をするべきです

(一先ずの水分補給が終わるまでに着替え直し、髪を搾り片側へ寄せてタオルのような布を巻き付けるまでの一連の流れを素早くこなした後、眉付近の筋肉を緩め一瞬の内に口角を上げ応え。果物屋なら常連として通う良い店がある、問題は宿だが、大らかな主人が看板を出している格安の宿なら多少の不便はあれど差別を受ける心配は無いだろう。そんな思考が自然と巡ったのはこの不思議な旅人を何処かで気にかけているからだなんて意識は全く無いのだが。先立つ歩調は事務的ではないと言えば嘘になるけれど、それとなく旅人の様子を見ながら進む中、背後へ視線の先を移しつつ口も動かし)

如何にも貧しい子ども達が集まってきたら荷物に注意して下さい。言葉巧みなお店の誘いに乗ってはいけません。色仕掛けに誘惑されるなど論外です。貴方が心から信用出来ると思える人物以外は警戒して、でなければ最悪命を奪われます

>ジャックさん

確かにそうか、邪霊も獣人ももしかしたら理由があって襲っているのかもしれないな…聞いていなかったが貴方が影人を襲おうとした理由は何ですか？

（今までは邪霊は好きで襲っていたと思っていたが彼の言葉で考えを改める。まだ影人を襲うかどうか分からない状況の彼だが、先程の出来事を思い出して判断すれば理由を尋ね）

依頼か？俺は50万円で引き受けたが別に貰った訳じゃない、そういう契約だ。契約が成功する事もあれば失敗する事もあるからな

>ピエニさん

だが俺が付いていながら彼女を傷つけてしまった…彼女に申し訳なかったと伝えておいてくれ

（依頼は達成されたが踊り子の彼女を暴漢に傷つけさせてしまった。その事を今でも後悔をしている。仕事に忠実な為頭を下げて謝り、迷子になった場所の特定が出来ればすぐに出発する準備をして）

ワンちゃんか、俺の事はそう呼んで構わないぞ。時計が見えてりんご飴が売っている場所と言えばあそこだな、早速向かうが準備は良いか？

＞35 ピエニ

チップぐらい弾むさ。

（貨幣文化も散り散りとなったが、それでも大きなコミュニティーが存在する地域では、ある程度の流通が見られており。礼を断って、自分のことを気にかけるよう促す相手の態度から、思いやりの気配を汲み取れば、自然と頬の筋肉が和らぎ、緩く笑むように瞳を細め、流されても構わないぐらいの軽さでチップについて触れて。道すがらでも相手が口にした警告の数々には、手持ちのステッキで落ち葉を踏みしめ歩きつつ、通りすぎた際の町の様子を思い返し。一見大きめで、ある程度の自治も期待できそうと捉えていたが、やはり、そこまで治安は良くないのだと警戒を新たにして。やがて森の出口まで辿り着けば、町の入り口はすぐ近く……しかし、見張りの一人もいない不用心さ、広場で公開処刑が行われている等とは知る由もない身では不自然に見えて首を傾げ、湖畔の清涼で心地よい静寂とは対照的な、奇妙な静けさに顎を手で撫でつつ）

妙に静かだな。これだけ人の多そうな町なのに、入り口には影人がほんのちょっといるぐらいじゃないか。いっそ、さっきの湖の方が賑やかに感じられるぐらいだ。

　

＞36 ローガン・ロペス

………………！

（影人を襲おうとしていた、という断定を受ければ緑の瞳を丸くし、ぐっと言葉に詰まり。続けて相手が語った依頼の詳細が耳に届けば、無言のまま軽く眉をしかめ、ジトとした目でそれでも真っ直ぐに相手を見つつ、考えるような面立ちとなって。相手の依頼主が誰を標的に依頼を出したのかは不明だし、先に相手はこちらの "自分は無関係" との論も受け取めた素振りであったものの、ここで自分もやはり "影人を狙っていた" と認めれば、咎められ、引っ立てられる可能性も十分に考えられ。どう答えようかと決めかねたところで、ふと、相手の後方を視線で追って少し距離を置いた湖の縁に、２、３個の黒い火の玉を認め。それが邪霊だと気付くや自嘲的な表情となり、それらを指差しつつ）

教えてやってもいいぜ。丁度よく、今にも湖を汚しそうな奴等が現れた。

　

>>ロペス

──はい、伝えておきます。ですがロペスさん、最大限に努力した結果に対して悔やむのだけはどうか避けて下さい

(言伝を恭しく受け取るも謝罪に関してはそっくり頂戴する訳には行かず、遠慮がちに伸ばした片手で下げられた頭の横に並ぶ肩を優しく叩く位はしようとしても気が咎めて結局触れず終いとなり。もう特定したらしい記憶力の高さに感服して何も言えないすぐ前では少女が頷き親指をしゃぶり始め。傘は生憎持ち合わせが無い代わりにマントを脱ぎ、迷い子に被せることで、些か布が余り過ぎるものの雨風を防ぐには丁度良い具合となった所で雷光がパッと閃き重い岩が転がるような音が響き渡り。きゃあと悲鳴を上げて事務所の主にしがみ付いた少女の耳を咄嗟に塞いだ手は、驚いた反動で獣の手に戻ってしまい。目をぱちぱちさせながら気まずそうに居住まいを正し)

あ…いえ、失礼しました。お気になさらず

>>ジャック

私は単なる行き摺りの存在に過ぎません。ましてや金銭の為に案内しているのでもありません

(誠実な対応としての提案であるのは理解している、然しそこらの欲深く意地が汚い連中と同等にされるのは虫が好かない。咎める目を向け改めてきっぱりと断りを入れ。宿と店を案内した後は二度目の顔を合わせる機会さえあるのだか無いのだか分からない時代なのだ、願わくばこの町と呼ばれる泥沼に旅人が引き摺り込まれて二度と自由の光を浴びられぬ事態にならんことを。脳裏に浮かぶ不安を掻き消してステッキに踏まれて鳴らす葉の音に耳を傾けそっと溜め息を零し。丁度今頃は哀れな死刑囚が斬首されて、藁の上に置かれた木製の桶に、最期の苦しみに歪んだ頭部が転がり落ちたのであろう。それを近所のマーケットへ買い物に行くのと同じ気軽さで愉しむ人々のイメージが、病中に見る悪夢の如く視界の前を支配し悪寒に震え足を止め)

……何故湖の方が賑やかだと感じたのか、町に入れば尋ねずとも直ぐに分かるでしょう。それよりも急がなければ宿屋の主人の戻りにタイミングが合わなくなるかもしれません。あまり長時間座って待っていられない性分なのだと、いつだったか話していましたから

＞ピエニ

…………？ …ほぅ、それはまずいな。

（立ち止まった相手につられるように自分も歩みを止めては、相手の言葉に耳を傾け。……妙な静けさの謎は解けなかったものの、次いで告げられた宿屋事情の方に関心を移せば、顎に手を触れたまま相槌を返し。それならば、先に宿屋へ行ってチェックを済ませたほうがいいだろう。道案内を買って出てくれた相手がいつまで付き合ってくれるかは不明だが、ただでさえ、治安の悪いコミュニティー内で余所者一人は肩身が狭く、付き添ってもらえる内は頼った方が賢い。辺りは警戒しつつも、チップさえ潔癖に断った相手には既に一抹の信用を持ちつつ、町へ足を踏み入れれば、突如静寂を裂いて耳に届いたのは子どもの喚くような声で。反射的にそちらに視線をやれば、こちらの姿を認めたらしい光人の少年が2人、駆け寄ってきて）

「あー、邪霊が出た！邪霊が出たぁ！」
「あれれ、ウサギの姉ちゃん！どこに行っていたの？広場では大変な騒ぎだよ」