Yoidore 2020-05-02 22:03:21 |
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>>ロペス
──はい、伝えておきます。ですがロペスさん、最大限に努力した結果に対して悔やむのだけはどうか避けて下さい
(言伝を恭しく受け取るも謝罪に関してはそっくり頂戴する訳には行かず、遠慮がちに伸ばした片手で下げられた頭の横に並ぶ肩を優しく叩く位はしようとしても気が咎めて結局触れず終いとなり。もう特定したらしい記憶力の高さに感服して何も言えないすぐ前では少女が頷き親指をしゃぶり始め。傘は生憎持ち合わせが無い代わりにマントを脱ぎ、迷い子に被せることで、些か布が余り過ぎるものの雨風を防ぐには丁度良い具合となった所で雷光がパッと閃き重い岩が転がるような音が響き渡り。きゃあと悲鳴を上げて事務所の主にしがみ付いた少女の耳を咄嗟に塞いだ手は、驚いた反動で獣の手に戻ってしまい。目をぱちぱちさせながら気まずそうに居住まいを正し)
あ…いえ、失礼しました。お気になさらず
>>ジャック
私は単なる行き摺りの存在に過ぎません。ましてや金銭の為に案内しているのでもありません
(誠実な対応としての提案であるのは理解している、然しそこらの欲深く意地が汚い連中と同等にされるのは虫が好かない。咎める目を向け改めてきっぱりと断りを入れ。宿と店を案内した後は二度目の顔を合わせる機会さえあるのだか無いのだか分からない時代なのだ、願わくばこの町と呼ばれる泥沼に旅人が引き摺り込まれて二度と自由の光を浴びられぬ事態にならんことを。脳裏に浮かぶ不安を掻き消してステッキに踏まれて鳴らす葉の音に耳を傾けそっと溜め息を零し。丁度今頃は哀れな死刑囚が斬首されて、藁の上に置かれた木製の桶に、最期の苦しみに歪んだ頭部が転がり落ちたのであろう。それを近所のマーケットへ買い物に行くのと同じ気軽さで愉しむ人々のイメージが、病中に見る悪夢の如く視界の前を支配し悪寒に震え足を止め)
……何故湖の方が賑やかだと感じたのか、町に入れば尋ねずとも直ぐに分かるでしょう。それよりも急がなければ宿屋の主人の戻りにタイミングが合わなくなるかもしれません。あまり長時間座って待っていられない性分なのだと、いつだったか話していましたから
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