悪魔は生け贄と(〆)

600年もの長きに渡って無人だった古城に灯りが灯った時、村に赤い嵐が吹き荒れた。

悪魔の仕業だ──これを凶兆と見た村人たちは、村にいた見目麗しい少年を城門に縛り付け、生け贄とした。

やがて少年は豪奢なベッドの上で目覚める。
「気が付いたか」
低くなめらかに呼び掛ける、声。
「誰……？」
「俺は……」

悪魔と生け贄の日常物語──

名前：クロード・ベルグレイス・エヴァレッティオ・ロードラント公爵
年齢：外見20代後半、実年齢500歳越え

容姿：ショートの黒髪を適当に流す。瞳は血のように赤い。顔は整っているが冷たい印象を与えがちで、黙っていると怒っているように見える。肌は病的に白い。普段着はノーネクタイ(実はネクタイが結べない)で三つ揃えのダークスーツ。野暮用で魔界に戻る時はフリルシャツにリボンを結び、黒い膝丈の豪奢なジャケット、細身のズボン、ロングブーツを穿く。

性格：感情はあるが起伏が少ない。悪魔らしく冷酷で残忍な面があるが、人間界では理性的に振る舞う。

備考：毎日のように着飾っては茶会に出て退屈な話に付き合わねばならないことや、結婚はまだかと迫られることなどなどにうんざりして、城をほったらかして人間界にバックレてきた。
人間界の花は毒を出さないし、可憐だから好き。
魔界では奴隷をプレゼントされるので、生け贄を捧げられるくらい何とも思っていないが、赤い嵐を自分のせいにされるのは心外である。生け贄が増えたら面倒なので原因を調査することに。
身の回りの世話は中年男性型のオートマタに任せている。
ホワイトのことは良い玩具くらいに思っているが、いずれは人の子の中で生きるべきと考えるようになる。しかし元の村に返せば「贄としての務めを果たさなかった」として断罪される未来しかないので、ひそかに頭を悩ませる。

名前：ホワイト

年齢：17歳

容姿：長い綺麗な銀の髪に満月のような金色の瞳。肌は白く、唇は薄い。猫のような目じりに細い眉毛。服装はクロードが選んだドレスか白いシャツに黒いズボン、ネクタイという服装。

性格：大人しい性格で愛想のない態度をとってしまうこともある。だが自分にとって気に入らないことは言い返す気が強い面もあり、ある程度は自分の要求を通させたい気持ちがある。あまり表情が変わらず人形のようだと言われることがあるが、好物と本と動植物を前にすると目をキラキラさせる素直な感情も持っている。

備考：自主的に立候補し、村人によってクロードに捧げられた生贄。クロードのことはご主人様、クロード様と呼ぶ。一人称は僕。割かし風邪をひきやすかったり、走ったりするとすぐにバテてしまう体の弱さをもち無理をすれば時々貧血を起こして転倒する。

過去：両親は共に美形・美女の顔立ちだったがホワイトが成長するにつれて美しさに目がくらんで、ホワイトに芸をさせて金を稼がせた。ある日、ホワイトに心酔した客の1人がホワイトを独り占めしようと家に押し入り両親を殺害しホワイトを誘拐した。その元客はホワイトを可愛がって生活していると、ホワイトに心を奪われた近くの住人が同じように元客を殺害し誘拐したので隙を見て現在住んでいた村まで逃げてきていた。


(/大変お待たせいたしました！)

(/移動ありがとうございます！どの場面から始めましょうか。こちらの考えとしては自分の状況を互いに説明し合えるように、ホワイト様がベッドで目覚めるシーンからかなと思っているのですが、他にやりたい場面があれば合わせますよ)

(/こちらもそのシーンから始められたらいいな?、と思っていましたのでぜひそのシーンからお願いします！)

(/では、ホワイト様が目覚めるシーンから始めさせていただきますね！)

(大きな古城の一室。調度品が整えられた部屋には３人で寝ても余るほどの広いベッドがあり、その真ん中には美しい少年が眠っていて。ベッド脇に置いた革張りの椅子に深く腰掛け、脚を組みながら、その寝顔を飽きることなく眺めて)

(/はい！よろしくお願いします！)

……ここ、は……？

(ふっ…と意識が浮上し見慣れぬ天井を視界に収めた。ここはどこだろう、という疑問を口に出せば寝起きの掠れた声が言葉になって。確か、と記憶を遡れば最後に見たのは自分を城門に縛り付けた村人たちの背中で、不思議に思いながら顔を横に向ければどこか冷たい表情の美丈夫が自分を眺めていたので驚きで目を数回瞬かせて)

(薄い瞼が持ち上がると金の瞳が露になって、ほう…と声を漏らす。肘掛けに頬杖をついて唇の片端を上げるように笑みながら)気が付いたか(サイドテーブルには水差しとグラスが置かれているが、特にそれをどうこうもせず、猫のような目許や形よい唇を眺めて)ここは俺の城だ。と言っても勝手に拝借しただけだが。庭に出たらお前が城門に縛り付けられているのを見付けて連れて来た。なぜあんなところにいた？

村の上にある古城に悪魔が住み始めて…赤い嵐が吹き荒れたから悪魔の仕業だと…だから僕が生け贄になりにきました。
(これまで荒れていた古城、ということだがわりと綺麗な内装にきょろきょろと目を動かせばゆっくりと上半身を起こして美丈夫と向かい合うように姿勢を正し、ゆっくりと冷静に言葉を紡いで)
ここが古城で住人は貴方様、ということは貴方様がご主人様でお間違いないでしょうか？
(また一つ瞬きをすれば軽く首を傾げて相手に問いかけて)

赤い嵐…？あぁ、アレか。俺のせいじゃない。俺は静かに暮らしたいのにわざわざそんな真似するわけがないだろう(脚を組み替えながら、ため息を混じらせ、目の前の“生け贄”に捧げられたという少年に事も無げに言ってのけて)住人ではあるが主人になった覚えはない。いい玩具が入ってきたとは思うがな。まぁ、どうしても従属したければ、俺のことはクロード様と呼ぶがいい。

そうだったのですか……
(相手からの言葉にそう呟くと、ではなぜあの赤い嵐は起こったのだろうと頭の片隅で考える。また、雰囲気から察するに生け贄なども要らなかったんだろうなと思うが自分には居場所が無いことにお世話になってもいいか、と結論をつけて。ベッドからのそのそと降り相手の足元にいけば膝をつき、頭を垂れて服従の姿勢を示して)
僕はホワイトと申します。これからクロード様に誠心誠意お仕えさせていただきます。

(ゆったりと優雅な動作で脚を組み換える。部屋の片隅の暖炉では、薪のはぜる音がして、それが妙に室内に響いて。やたらに物わかりが良い様子の少年は、細い身をベッドから下ろして膝をついて。その様子を、頬杖をついたまま見下ろして)…ホワイトか。良い心掛けだ、俺の従者となることを許す。俺のことはクロード様と呼ぶがいい。良い働きをし、俺が気に入ればそれだけ良い扱いをしてやる。だが、それまでは…、そうだな、命までは取らないでおいてやるが、俺の玩具だ。いいな？(しっとりと色のある低音で言い渡すと)分かったら付いてこい(返答は聞かない。ようやく立ち上がって踵を返し、さっさと部屋を出て行って)

はい、仰せのままに

(相手が立ち上がり自分の横を素通りしてから自分も立ち上がり、返答を返す。そのまま主人となった相手の後ろを着いて行き、3歩後ろを同じスピードで遅れないように歩いていく。道中先程"玩具"と呼ばれたことに、この方も過去の人たちと同じなのかな、とやけに冷静な頭で考えているが、コツコツと足音を立てて歩く主人の背中に、でもどこが違うような気がする…とも感じていて)

(革靴を鳴らし歩いて、呆れるほど長い廊下を進む。端まで行ったところで“ドアを開け”と尊大に命じて。ドアの向こうは粗末な部屋。狭い木のベッドは一応布団などが備えられているが固く、先ほどの調度品が揃えられた部屋とは打って変わって、ガタついた木のテーブルと簡素な椅子、物入れの小さな棚がある以外に何もなく。灯りは枕元の古いランプで取るようになっていて、空気が埃っぽい)俺に仕えるというなら、それに相応しいものを与える。今日からここがお前の部屋だ。あとで食事を運ばせる。

(主人からの命令に扉を開けると、先程までの部屋と比べれば小さいが十分な広さの部屋で、ホワイトは一人部屋を与えられるという喜びにほんのり頬を染めるがすぐにそれを消し去って悟られぬようにして)
ありがとうございます、クロード様。お許し頂ければ部屋の掃除をしたいのですがよろしいでしょうか。
(さすがに埃まみれの部屋で生活するのは嫌なのか主人に許可を問うて)

(ほのかに染まる頬には気付かずに。ドア前に立ちはだかるように、軽く腕を組んで入室を促して)掃除…？あぁ、この空気は人の子には毒か。好きにすればいい。用具は…、そのへんにあるだろう。(おそらくは部屋の片隅の棚の中に。ボロボロだが、雑巾やモップなどが入っており、バルコニーも備え付けてあるので、布団も干せるようになっていて)

ありがとうございます。じゃあ掃除を始めますのでクロード様は別室でお待ちください。
(部屋に入り掃除を始めようとして、また主人が埃まみれにならないよう退室することを促したがが、掃除をし終わったあと埃まみれの服で主人の前に現れることにそれは駄目だな、と考え問いかけてみて)
クロード様、僕の服は他にありますか？

(掃除が終わるのを廊下で待っていて。窓の外の景色を眺めていれば終了の合図。出て来たのは埃まみれの生け贄で、目を眇めながら見て)他に服、か…ルロイ。服を持て(そばに控えていたオートマタの執事に命じると、ほどなくして服が用意されて。それはスタンドカラーにパフスリーブのボルドーの上品なワンピースで、胸元に薔薇のコサージュを飾るようになっていて。靴は少しヒールのあるパンプス)これを着て食事をしろ。人間が物を食べるところを見てみたい(意地悪そうな顔でにやりと笑って見せて)

……僕は男ですが…？
(一応服と靴を受け取るが男である自分にワンピースなどを着せても変だろうと思い主人に問い返して。確かに埃まみれの体から着替えはしたいがワンピースは…と難色を示していたが、けほ、と埃による咳がで始めれば悩んでいる暇はないか。次の機会には断ろうと考えて渋々と言ったように了承を示して)
……分かりました。少しお待ちください。

そんなことは見れば分かる。だが男物の服は俺の分しかないし、この体格差ではもて余すだろう。今お前に合う服はそれしかない(相手の言動を反抗と取ったか、眉根を寄せて早く着るよう促すように、手をひらひらと振り。埃で咳き込む相手を多少心配はしたものの顔には出ず)待っていてやるから早くしろ(部屋の中まで入って着替えをじろじろ見ることはせずに。廊下に立ったまま、腕を組んで少年が着替えて出て来るのを待って)