600年もの長きに渡って無人だった古城に灯りが灯った時、村に赤い嵐が吹き荒れた。 悪魔の仕業だ──これを凶兆と見た村人たちは、村にいた見目麗しい少年を城門に縛り付け、生け贄とした。 やがて少年は豪奢なベッドの上で目覚める。 「気が付いたか」 低くなめらかに呼び掛ける、声。 「誰……?」 「俺は……」 悪魔と生け贄の日常物語──