いやいや、こうして来てくれただけで万々歳。…本当、君の前だと駄目人間に磨きがかかるから嫌んなるな( 謝罪に自然と振り返っては安堵を隠さぬ声音で答え。ドアを押さえたまま自戒とも自嘲ともつかない呟きを零すも、眼下の相手と目が合えば「…そりゃそうだ」と短く答えて運転席に乗り込み。エンジンはかけず、街灯の仄かな明かりに照らされた横顔を見つめて )──そんじゃ、改めて聞かせてよ。遊佐くんの話。