捨て子を拾ったら異常に懐かれました。(BL)

………。
(まだ起きないようで静かに眠り続けていて)

………昨日、飯作ってもらったし…作るか。

(のそのそとキッチンへ向かい、
料理を始め)

んん…。ふぅ…。
(漸く起きたようで体を伸ばして立ち上がり)

……………おはよう。……飯、作ってるけどいい？

(起きた相手に首を傾げ)

んぁ…良いけど…？
(寝ぼけてぼーっと見つめ頷き)

…………何か、作ってほしいものとかある？
大体は作れるよ……前の所で叩き込まれたし。

(寝ぼけている相手に優しく聞き)

得意なやつで大丈夫だぞ？
(目を擦りながら欠伸して)

………んじゃ、オムライス作るわ。

(相手の返答を聞くと頷き、料理に戻り)

おう。わざわざありがとな。
(床に敷いたバスタオルを手に取り、洗濯機へと投げ入れ)

………前にいた所じゃ、生き残るためなら
何でもしたから。

(少しだけ出会ったときの虚ろな瞳に戻り)

まあ…その気持ちは分かるけど、ここでは少しぐらいリラックスしたらどうだ？
(敢えて笑みを浮かべて相手の背中を軽く撫で)

……………もうちょい、慣れるように努力する。

(相手の笑顔に安心し、表情を緩め)

まあ、自分のペースで慣れてってくれ。
(背中を撫で続け、料理の様子を見ていて)

………おし、出来た…。

(綺麗なオムライスを皿に乗せ、机に置く)

……女子力高くないか？
(普通に美味しそうなオムライスを見て、思った以上の出来栄えで驚き)

…………女子力？俺、男だけど。
……アンタ、服の裾破れてる。後で
縫ってやるから、貸して？

(女子力、という言葉に首を傾げ、
相手の服の裾を指差し)

それが女子力だぞ。とりあえずありがとな。
(思わず苦笑しつつ服を脱いで差し出し、そのままオムライスを食べ始め)

………良く分かんないけど。…どう？味は。

(相変わらず首を傾げながらもどこに
収納していたのか謎の裁縫道具を取り出し、
破れた裾を縫い始める)

……滅茶苦茶美味い。何だこの敗北感…。
(一口食べた途端に美味しい事がはっきりと分かり、若干母親っぽいな…と思いつつも頷き)

………美味しかったなら、良かった。
……他人に料理作るのなんて、
久しぶりだったから。
…はい、これ。
(少し笑顔になり、縫い終わった服を差し出す)