館の悪魔 2019-07-15 07:23:57 |
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>23 アイリーン背後様
(/了解いたしました!
共依存しているようでメフィストの心は別のところに、彼はあくまでインキュバスとしてのふるまいをしているだけ……というのはこちらも考えていたことでした、ありがとうございます!
背後の方は儚げで危ういアイリーン嬢に早くもほだされていたりするのですが、きっとメフィスト本人はそう易々と揺らがないことでしょう。戯れと本気の境目がどこまでも曖昧で、けれど性根が悪魔ゆえにアイリーンにとってはとても残酷な心の距離を保っている、しかし悪魔がふと間違えればそれは突き崩されたりするのかもしれない、そんな非常にアンバランスな関係を楽しめたらなどと考えております。
初回ロルのシチュエーション指定も感謝です、畏まりました! 初回ゆえ少々説明要素が多く冗長になってしまうこと、お許しくださいませ。
改めて、よろしくお願いいたします。)
(醜い歓声を上げる大衆、白日の下に晒された断頭台、残酷な速さで首筋へ迫るギロチンの刃──狙ったわけではなかったが、彼女の命がまさに奪われようとしていたあの日、あの瞬間に、悪魔の契約で救い出したのは、自分の数々の遍歴の中でも五指に入る完璧な演出だった。
お陰で王族カーティス家の哀れな忘れ形見、亡国の姫アイリーンは、このメフィストフェレスが悪魔だと知りながら面倒な自衛をしていない。まだほぐしていく必要はあるが、あの日の出来事が強烈なようで、時たまこちらに向ける目に縋るような色が見え隠れするのを知っている。
既に時は満ちた。彼女を館に連れてきて、敢えて生活に馴染むだけの時間を与えている間特段何もせずに来たが、その日々も今日で終わりだ。『カナリア』は調教しなくてはならない。己の耳に心地よく、甘く美しくさえずるように。
──朝を迎えた館の東、アイリーンの部屋の扉の前で、そんな思考にほくそ笑みながら、手の甲で軽くノックする。これまでは魔法の力で彼女の部屋のテーブルに食事を召喚していたが、今日はあえて、わざわざ自分でできたてのそれを持ってくることにした。
彼女と話す必要があるのだ。ようやく落ち着いてきてはいても、未だ心の奥底では怯え、戸惑い、揺らいでいるでたろう彼女と。だから、と、低く掠れた、どこか甘い響きのある声で、扉の向こうの彼女を呼んで。)
アイリーン……起きているかい? ここに来て以来あまりしっかりした食事を摂れていないだろう。
君に朝食を持ってきた、きっと懐かしい味のはずだ。……部屋に入れてくれないか?
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