美月 2019-03-24 16:45:05 |
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美月)え?え?
美月は理解が追い付いてなかった。
美月)(えっと、屋根から落ちそうになって、とうとう落ちた私は地面に落ちずシートに落ちた。ってことになるのか?)
美月)うおっ!
美月は麗奈が飛びついてきて、シートに倒れた。
美月)すまんな、私の不注意で屋根から落ちそうになったんだ。私も、その、こ、怖かったんだ。
美月は、静かに泣いた。いつもの勇ましい姿の美月のかけらはなく、ただただ泣いていた。
美月はびくっとし、麗奈を抱きしめた。しかし、その手は軽く震えてた。
美月)すまない、もう危ないことはしないから、怒りを鎮めてくれ。私は、誰かが怒ったり泣いたりすると、分からない。対処の仕方を知らないんだ。だから、頼む。どうか怒りを抑えてくれぬか?
三日月)麗奈、美月もこう言っている。だから、もうやめてやれ。
小狐丸)怒った顔は似合いませんよ。
鶴丸)美月は道徳が欠けてる分この手の分野は不得意だ。
太鼓鐘)その格好で怒っちゃ綺麗な顔が台無しだぞ。で、美月いつまで抱き着いてるんだ。
美月は、まるで大好きなものを手放さないようにぎゅうっと麗奈を抱きしめていた。これでは年寄りではなく、幼子だ。
美月)う、うん。
美月はそう言うと、涙を拭くといつもの顔に戻った。
美月)そろそろ夕餉か。
太鼓鐘)ああ、山姥切がもうすぐ出来るって言ってたぜ。
小狐丸)こちらも準備はできていますよ。
三日月)あとは、麗奈の準備だけだぞ。
鶴丸)着替えさせるなら今だ。
四振りは麗奈に聞こえないように美月に耳打ちした。
美月)さぁ、麗奈。宴の始まりだ。行くには最高の服を着なければなぁ。化粧も任せろ。さぁ、w足しの部屋へ行くぞ。
美月は麗奈を姫抱っこで連れて行った。
美月)全員、頼んだぞ。
三日月)あいわかった。
小狐丸)わかりました。
太鼓鐘)準備するぞ。
鶴丸)プレゼントも用意しないとな。
美月は全員が広間へ向かったのを見ると戸を閉めて麗奈に向ってにっこり微笑んだ。
美月)ようやく、好きにできるな。昼間から触れず、ずっと我慢していたのだ。さぁ、宴の準備に必要なのは、主役だ。麗奈に最高の服を買った。着せてやるから、ちこうよれ。
美月)呉服屋に頼んで重くなく、着やすい服を前々から作ってもらったんだ。
美月は、袋から取り出すと赤を基調とした、着物に緑の帯、そして黄色いかんざしも用意した。
美月)さぁ、さっそく着ようか。
太鼓鐘)ごちそう運んできたぜ。
小狐丸)プレゼントはこっちです。
三日月)急ぐぞ!
鶴丸)どんな姿か見ものだな。
美月は麗奈の服を脱がし赤い着物を着せていく。
美月)実は輝さまは、赤が好きだったのだ。琴を弾くときはいつもこの赤い着物を着ていた。これは男物を女物にした赤い着物。当時輝さまが着ていた着物を似せて作ってもらったのだ。すまぬな、麗奈。今日だけは、私の輝さまでいてくれぬか?
美月)ありがとう、麗奈。さぁ、着せてやるからな。
美月は麗奈に赤い着物を着せ緑の帯を結び黄色いかんざしを髪に差した。
美月)よし、どこからどう見ても、当時の姫だ。さぁ、お手をどうぞ、姫様。皆が待っています。
美月は手を差し出し、跪いた。
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