匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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こ、壊さねぇよ…ッ
(さりげなく付け加えられた警告に、ほんの僅かながら頬に朱を差して言い返せば、それでもまだ少し気後れしていて、ぎこちない風に内装のそこかしこを伺いつつ、室内に足を踏み入れ。ごく自然な素振りでベッド下の椅子に腰掛け、ペンを取り出した相手とは対照的に、しばらくはキョロキョロと天井だの家具の立て付けだのの状態を流し見ており。それが終わると、次は相手がいる側とは別の……恐らく今夜自分が使うことになるベッドの下に入り、興味深そうにテーブルや椅子の様子を観察し、どこに何が置いてあるのか子細に知ろうとしていて。その間、時たま……突然怒られやしないかという警戒心から相手の反応も気にしてみるが、相手は一心に机と向き合っているようであり)
……………………。
(その背中を確認しては、取りあえず、邪魔しない方がいいだろうとだけ認識し、終始無言であるものの、どこか動物的な探索を続け。静かにこっそりと椅子をひっくり返して裏側も確認したり、ランプを持ち上げて色んな角度から眺めたりし、さらにその後は梯子を使ってベッドの上にも行ってみる。そこで特に意味もなく、仏頂面のまま布団に寝てみたり寝返りを打ったりしてみると、やがて満足したのか、また下に降りてきて。
ベッドの下の一番隅っこの薄暗い位置に移動すれば、そこの床に腰を下ろし。ようやくずっと持っていた紙袋からパンを取り出して、食べようと口を開けると、丁度相手が振り向き、何やらため息と共に一言。……虚を突かれて、相手と視線が合った状態でフリーズしてしまったが、その後、正気を取り戻したみたいに再び回転を始めた頭で、相手に "厄介" と言われる理由を検索すれば、咄嗟に思い浮かんだのは、部屋に入ってすぐに言われた『パンでも食べてると良い』という相手の言葉であり。食事を後回しにして探索ごっこをしたことで、言いつけも守らない奴と呆れられたのかと考えれば、少々怒ったような、あるいは何処か悲痛そうな色を微かに滲ませた表情と声色となって)
……なんだよっ! 言ったことを守らなかったからか!?
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