匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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「……何やってんだ?」
(下方に続く穴を前に相手が立ち止まって何やらゴソゴソやり出せば、副首領は軽くそちらを覗き込みつつ、疑問を口にし。だが、やがてそれが落ちない為の仕掛けのようだと悟れば『……ふぅん』と鼻を鳴らし、相手が梯子を降り始めると、入り口に跪いて見下ろしながら『……命綱か』と呟き。
それから下っ端の一人に向け『おい』と声をかければ、静かに立ち上がって近付いて行って。そこで初めて気付いたが、下っ端は顔色が悪く、明らかに不安げな表情をしており。……自分の所為かとも思ったが、果たして本当にそれだけなのだろうか。直感的に相手を先に行かせたのはまずかったのではないかという疑念が生まれ、もしもの裏切りに備えて、今すぐにでも副首領に飛び付き、腕力で場の主導権を奪取しておきたい気持ちになったが、そう思った頃には、例の薄闇に鈍く光る刀剣が、下っ端の手から副首領の手元に渡っており。
……咄嗟に怯んで飛び出せなかった。副首領は下っ端に『持ったままじゃ降りられねぇだろ。これは一旦ここに置いていくぞ』と、一見尤もらしいことを言っており。だが、その台詞は妙に大きな声で発せられていて、もしかしたら、梯子を降りて行っている相手にも聞こえるのではないか、と思えるボリュームだ。要するに、近くで聞いている者には "あえて、何気ない雑談を演じているかのように" わざとらしく感じられ。さらに、その台詞を言い終えた後、副首領の口元に小さく笑みが浮かんだことに気付けば、いよいよ疑惑が確信に変わり。
副首領の手元で煌めく長剣の圧に押され、足が軽く震えると、その場からは動けないままとなったが、それでも腹の底に気合いを入れれば「……アル!!戻ってこい!!多分その道、出口じゃないぞ!!」と叫んで。他方で、副首領の方は既に刀剣を構え、こちらに向かってきており『これは賭けだぜ。剣は苦手か?』と言っては、悪党らしい冷酷かつ楽しげな表情で、足をすくませてしまっているこちらを容赦なく斬りつけようとしてきて。
また、刀剣を取り上げられる時に命じられたのか、元々剣を持っていた下っ端は、あろうことか、突如、穴の近くに立っていたもう一人の下っ端に体当たりを仕掛け、相手が今、梯子をつたって降りているはずの下降路に突き落とし。バランスを崩した一人の下っ端が、悲鳴を上げながら穴の中に消え。……当たり前だが、そんなことをしたら危ない。落石さながら、相手にぶつかりかねないことが予期され。
しかし、今は自分にも相手の救援を試みられるだけの余裕はなく。一気に距離を詰めてきた副首領の剣に対し、何とか反射神経のみで僅かに身体を逸らすことはできたが、それは "一撃で致命傷を負う事態" を避けられた程度に過ぎず。割りとモロに斬撃を受けてしまい、鮮血が散って。痛みと恐怖に思わず悲鳴を上げたが、副首領は容赦なく、直ぐ様太刀筋を切り返し、メッタ斬りを仕掛けてきて。
咄嗟に姿勢を低くし、後方に下がろうとするものの、そしたら次は、一切の隙も与えないとばかりに瞬時に同じだけの距離を詰められ、剣を突き出されて刺されそうになり。恐らく常人ならそこでエンドだっただろうか、こちらは竜の亜人。即座に背から翼を出して、ギリギリで副首領の剣先から距離を取って。だが、目前で長剣を振り回され、先に斬られた痛みより、精神的に負担が大きく、正直、視界もくらくらしており。専守一本になり、また混乱に陥りつつ、それでも副首領に向け「……てっめぇ!騙したな!?」と涙目で抗議を口にすれば、副首領は冷たい瞳で剣を振るいながらも、口元では薄く笑って)
「山賊をなめてんじゃねぇぞ、ガキ! 後でカシラもそこに放ってやるから仲良く死にやがれ!!」
(/ご回答を有難うございました☆ 案内された通路の先は、道順を正確に把握していないとほぼ脱出不可能な入り組んでいて深い下層の坑道であり、濡れ衣を着せるために飢えさせて、凶暴化させられているモンスターがうろついています。ついでに、襲った人間の遺体の捨て場ともなっており、骨とか落ちていて、山賊たちの蛮行が若干伺える感じになっている想定です← 次レスで拙女にも落ちてもらいます←)
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