匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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……んん、見失ったか?
(翼を出したまま、大穴へ飛び降り、紐梯子に目をやりつつ下降して行けば、あっさり地面に着いてしまい。あれ、誰もいなかった、と思った。先の人物が此方に向かったのなら、紐梯子を下っている途中で追い付けると踏んでいたのだが。大穴の底から入り口を仰ぎ見れば "先の人物は何処かで別のルートを使ったのかも" と思い至り、眉間に皺を寄せ、独り言を口にして。
それから小さく舌打ちし、キョロキョロと辺りを見回すと、一度肩を揺すって翼を引っ込め、奥へと続く横道に足を踏み出し。……何処かで別のルートを見逃したのだとすれば、今から引き返しても遅い気がして。ならいっそ、先の人物のことは諦め、他に拾えそうな情報はないか、進んでみることにし。
大穴と直結していた横道は、これもまた大きい。薄暗いが、先程までの坑道と同様、ぽつぽつとなら微かに光源があり、歩いて行くと両脇に幾つも通路が開けていることも分かって。何処に続いているのかは不明だが、所々に扉もあり。そういった情景を眺めていれば「……妙に生活感があるな。でも、現役の坑道っぽくは見えねぇし」と呟き、続きは頭の中だけで "誰かが棲み家にしているのかも。というか、あいつら" と推察して。
そこでふと、通路の先が丁字路になっていることに気付き。この道はどうやらここよりも少し明るい道と合流しているようで。何となく駆け足をし、そちらに近付いてみると、突如、合流している道から複数の人影が現れ、ばったり鉢合わせしてしまい)
……!
(一瞬驚き、瞳を見開くも、次の刹那にはほとんど無意識の内に目視で対峙した集団の人相と装備を確認し、一番偉ぶった態度の男が、土砂崩れの前に相手に一騎討ちを仕掛けようとした、例の騎士崩れであり、首領と思わしき人物だというところまで理解して。そうしている間にも、その男は何やら此方を煽った後、部下らしき連中に命令を下し。男がその場に背を向け、立ち去ろうと歩き出せば、部下らしき連中はぶつぶつと愚痴をこぼしながらも此方に襲いかかってきて。
小声の愚痴の全部を聞き取れたわけではないが、雰囲気から "なんか……こいつらも苦労しているんだな" と思うも、明らかな敵対関係が成立している今、容赦する気はなく。先陣を切って掴みかかろうとしてきたやや太めの男に、無表情のまま此方からも向かっていくと、瞬時に腕を伸ばして胸ぐらを掴み剛力で引き寄せ、体勢を崩させ、意表を突かれた様子で目を白黒させ『 ひ、ぐぇ 』と短く悲鳴を漏らした男の額に思いっきり頭突きをかまし。
ゴッと鈍く重たい音が響くと同時に男は膝から崩れたが、そこでさらに横蹴りを食らわせ、吹っ飛ばし。驚いた顔を此方に向けている他の男の内、より近くにいた者へ接近すれば、距離を詰めた時の勢いのまま、顔面にストレートを浴びせて昏倒させ。残った男たちも、戦闘意欲を感じようが感じまいが、淡々と続けざまに熨してしまい。途中で『 ……化け物! 』という馴染みの罵詈の他『 この、イカレ修道士、武道の覚えがあるぞ! 』といった台詞も耳に届いたが、今さら特に気に留めようとはせず。手早くほぼ全員を戦闘不能に追い込んだが、集団の最後列にいた男たちには逃げ出そうとする隙を与えてしまい。
最後列の男は3人。1人は踵を返し、駆け出そうとした瞬間に肩を掴み、強引に体勢を傾けさせ、鳩尾にブローを叩き込んで。その間に逃げ出した男の内、1人は追い付いて横から足を引っ掛け、転ばせた上で腕を掴み、サルトさせて背中から地面に叩きつけ。最後の1人だけが大慌てといった様子で先に首領が歩いていった道を走り、視界に捉えた首領の背中に向け、『 親分~っ!!あいつ、化け物っ!! 』と掠れた声で叫び。それを聞くやちょっとだけ "あんなに悪口言ってて、いざとなったら頼るのかよ" とも思い、渋く瞳を細めるが、わざわざ口には出さず。両者を追いながら挑発的に口角を少し上げ、目にも微かな光を灯し、声を張って紡いだ台詞は煽るように)
おい、お前らの目当てらしい "アイツ" がいるのはそっちじゃないぞ! ?
(/ご回答を有難う御座います!了解しました^^ゞ 少なくとも今回の下っ端には直長剣を想定せず、また、すごく長いですが、お返しさせて頂きました。次レスは息子様側のソロルでも、頭領の反応でも、両方でもどちらでも←)
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