匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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年上? ……あの人何歳ぐらいだったんだろうな。
(何気なく使った言葉に予期せぬツッコミが入り、相手を見返すが、元々の年月への無頓着さや上下意識への希薄さが相俟っては、小さく首を傾げて微妙にずれた返答をし。また、続けられた相手の言葉で一度周囲をゆっくり見渡すと、古ぼけた案内看板が目に止まり。再度相手の方を見た後、正面に足を踏み出し、近付いて掲載されている内容を眺めてみたが、ざっくりとしか書かれていないことが分かって。
それでも山道を示した図を指差しで軽くなぞりながら「まぁ、最初に使うのはこの道だな。途中までは普通に行けそうだが、何処かで脇道を使って採掘できる場に降りるんだろ? その辺からが怪しいな」等とぶつぶつ言いつつ、目的地までのシミュレーションを始め。……すると、不意に幾らか後方で鈴が鳴ったように思え。振り向こうとすれば、それよりも先に『 そこの二人~! 』という少々しゃがれた男の声が耳に届き。
改めてそちらに視線をやれば、思わず地図を追っていた指先を引っ込めることも忘れ、固まってしまう程度には驚き。……立っていたのは、顔立ちこそ顎が長めで細面ながら、肌の色は黒々と日焼けしており、髭の手入れも疎らで、元々はやせ形なのではと伺える身体にゴツゴツとした筋肉がついている、如何にも山男といった服装の人物であり。……本来なら、特に驚くこともないだろうが、離れているからこそ視認しやすいその輪郭に見覚えがあるような気がして。すなわち、腰に付いている鈴といい、その特徴とシルエットはどうにも昨夜、山中で目撃した怪しい人影に酷似しており。
何か言うべきかと思いつつも、口を半端に開けたまま押し黙っていれば、何故か期待を灯した瞳で近付いてきた男は、何処か田舎っぽさがある笑みを浮かべ、相手に向けて『 山、入るのか?丁度良い!俺も同行させてくれないか!? 』と問いかけ。さらに固めたままだった自身の指先に気付くと、それが指し示す先を確認し『 お、もしかしてあの婆さんに会って、聞いた場所に行こうとしてたんか? もしオルちゃんが欲しいんなら、そりゃ駄目だぞ。あの場所では採れない! 』と手を横に振りつつ告げ。
こちらが反射的に指先を引っ込め、警戒心もあって、一、二歩後退しても、どこ吹く風といった勢いであり、先程横に振った手を腰に添えつつ『 なんだよ、素人?ならますます丁度良いな! 』と笑ったかと思うと最後に続けた台詞は、ある意味渡りに船のような提案で)
「俺はスコット。粘土収集で生計を立てているんだが、最近山は危険って噂もあるから、入山する時は二人以上で入るようにしてるんだ。でも、今日は相方にドタキャンされてな。付き添ってくれるなら鉱石が採れる場所も教えるが、どうだい?お二人さん! 悪い話じゃないだろ?」
(/ご快諾有難うございます*´`* モブを出しましたが、例によってお好きなように動かして頂いて構いませんし、動かしにくかったり何だりでしたら、てきとーに投げてくださいませ)
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