匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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……それは全然経験ないな。
(相手の反応を見るに、やはり元々は真っ直ぐ鉱山に入る気だったように感じられ。いくら相手の気質がマイペースとは言え、トレージャーハンターとしての腕前は確かそうであるし、仮に鉱石の採掘に大掛かりな前準備が必要ならば、その手間を省こうとするとは考え難く。要するに、案外当日の入山でもそこまで気を張らなくて良かったのかもしれない。……一度掴んだ服の袖を手放しつつ、少し考える素振りを見せるが、足自体は進行方向を変えた相手に大人しく合わせて。
温泉街に入った辺りで不意に質問をされると、歩きながら一瞬ぴくりと反応を示し。記憶を振り返り、それから相手の方を見れば、いつも通りの仏頂面で答えを返して。……肩こり、そもそも中々聞かない単語という気もし。故郷では聞いたことがあっただろうか。いや、印象に残っているのは一時期身を寄せていたキャラバンだな。帳簿係が度々訴えていたような。……そう過去を回想していれば、相手は自身の様子をそれとなく眺めつつ、何やら意味深な憶測を付け加えて。"肩こり" という症状に関する知識不足の為か、あるいは元から全般的にその手の話題には暗いのか、相手がどこを見て言ったとは全く思慮の外で不思議そうな表情になれば「……あいつは確かに鈍臭かったが、そういうところは肩こりにも影響するのか?」と見当違いな疑問を口にし。加えて、前の方に視線を戻しつつ「……なんだ? アルは肩がこる人間なのか? 言ってくれたらマッサージぐらいするぞ」と聞き手によっては割りと "らしからない" 印象を抱かれそうな台詞を何でもないことのように続け、悠々と歩を進めて。
そのうちに建ち並ぶ温泉宿の中から一つに目をつけ、この町にいる間はそこを拠点にしようということになり。町そのものが山合いに位置しているわけだが、宿屋がある辺りは駅よりもさらに鉱山に近く、周囲に見える光景は結構迫力があり、通された二段ベッド付きの客室の窓向こうに広がる景色も例外ではなく。……それを眺めつつ、あの山の中にモンスターがいるわけだな、と再認識すると、いきなり二人で凶暴化しているモンスターがいるという場所に向かうより、先に一人でどれくらいヤバそうな連中なのか把握しておきたい気持ちが沸いて。しかし、それをストレートに言って仮にでも過保護を発動されたら何なので、あくまで表現はぼかすことにし、片手を窓の隣の壁につきながら、相手の方も見ずに)
なぁ、オレは今夜、散歩に行っていいか?
(/棺で寝ていなかったら育っていたんですかね……何処がとは言いませんけれど。←)
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