匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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──~っ、オレは、飲まないよ……
(相手から意味深長に話を振られると、口元を閉ざしたまま歪め、それから明らかに頬を赤くさせてそっぽを向き、ぼそぼそと自分の意思を述べて。本当に正直なことを言うなら、酒場に行くのならまた飲んでみたい気持ちはあり。だが、前回記憶に残っていない間に晒したらしい醜態を思うと、絶対的に今回飲酒を控えた方が良いことは、深い考察を挟まずとも確然としていて。また、クロワッサンだのマロングラッセだのあんドーナツだの、お前らよっぽど腹が減ってんのかよと逆に突っ込んでやりたくなるようなあだ名をつけられても不名誉であるし、それどころか、前回の街よりずっと小さなこの町で変な噂になって滞在に支障が出ても困る。
何はともあれ、相手とともに駅から一歩踏み出せば、思い出したようにそっと自身の首の辺りに触れ、それこそ泥酔して寝入っていた間に同胞から貰っていたらしいネックレスの存在を確認し。道中、獣を狩ろうとした際に実感したが、これを首に掛けている内は意図して集中し、神経を研ぎ澄まさないと人容が解けず。それは町中であればとても有り難いのだが、対峙者が獣であれ人間であれ、腕力を存分に発揮したい時には枷となってしまい。しかも、外してポケットに入れただけではまだ少し効力を感じたので、てきとーにいじってみたところ、留め口を普段と逆向きにすれば、石の色が白く変わって無効力になると分かったため、ここに来るまでに何回か付け外しをしていて。結果、ひと気のあるところに踏み入る際は念の為に手で触れ、確認する癖が無意識の内につき。
駅は寂れた雰囲気であったし、町も田舎っぽさが漂う風情となっていたが、宿屋と酒場は妙に充実しており、広い通りには冒険家や炭坑夫らしき人々がそこそこに行き交い、活気が感じられて。小さな人里ならば、宿屋も酒場も一、二件あれば良いところではと勝手に憶測していたが、思いの外に選べる余地がありそうであり。例によって相手の片腕を掴み、若干程度後方に下がって、微妙に隠れるようにしつつ周囲の様子を伺っては、下手に選択の余地があったところで判断基準など自分は持ち合わせていないことを実感し、やがて、頼るように相手を見上げると、そこは平常通りの淡々とした口調で)
結構、店あるな。どこに行く?
(/最初の着想から現在に至って、何から何までこちらのトピックは主様がいらっしゃってこそですよ。素敵な世界観を貸してくださり、いつもありがとうございます。飲酒回はまたいつか来るんでしょうかね笑 あれも酒屋に行く振りはそちらからでしたからね笑←)
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