匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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……ん? それって……
(友だち、という存在について相手が述べた一つの見解を聞けば、先程言われ、冗談と思い込んであっさり流してしまった "今、友だちがいるとすれば、お前" といった発言の重みが全く違って感じられて。自然と相手を見つめれば、ゆっくり二度ほど瞬きし、呟くように何やら言いかけるが、言い切ることはできず。内心では……あれ、さっきのがもし本気なら、結構良いように思ってもらってんのか……? と結構真面目な疑問が浮かんでおり。そして、順を追って考えてみるのは、他人にとっての自分のことばかりではなく、今の相手の定義に照らした上での、自分にとっての周囲の人物のことで。
……相手の前でもあの同胞の前でも、確かに気は張っていない。では一緒にいると楽しいというのはどうだろうか。……相手を前に認めるのもどこか照れ臭いというか、あるいは悔しいような気もするが、正直相手と出会ってからは良いことの方が圧倒的に多く。また、今回同胞と過ごした時間も……そうだな、あれはきっと "楽しかった"。言われるまで意識していなかったが、振り返るなら "楽しんでいた" と言えることを初めて自分でも認識し、何だか妙な気分になって。少々複雑な表情となりつつも、次は頼みごとについても思いを巡らせ。
……相手に何か頼まれたら、本音を言うなら、大体のことは出来そうな気もして。ただそれには "もらってばかりが嫌" とか恩義という概念も絡んでいるだろう……友情と言えるのか。さらに人間が如何に残酷に他者を裏切るか、心変わりをするか、ということも骨身に染みて知っており。今日までの態度で敢えて疑うような部分はなかったが、かといって相手は絶対そんなことしない、と信じられるほどお人好しでもないつもりで。だけれど、やはりきっと何か頼まれたら、それが多少無茶なことでも信じたい気持ちの方に賭けてしまう予感はあり……詮ずるところ、釈然とした認識には至れず。
他方、同胞についてであれば、過去に共有した時間が相手よりも長いという事実があるが、そこで何か頼んだり頼まれたりということはあっただろうか。思い返しても、彼女とのやり取りはほとんどが硝煙の漂う中にあって。つまり、仕事上の交信ばかりだ。頼んでも頼まれても、それは互いに "依頼者が誰か" ではなく "それが仕事だから" こなしたのみで、間にはいつも第三者の意思や外部の事情が絡んでおり。では、軍に配属される前なら? それだと本当の本当に昔の話になるが、古い記憶を辿っていけば、不意に教会と一体化した宿舎の情景が蘇り。……ああ、頼まれたことがあったな。夜だった。何となく不安で眠れないから布団に入れてほしい、と。それぐらいか?……常々あの同胞は、仲間内では一番弱くて一番臆病で一番甘えたで一番とろくて、ついでに一番マザコンだった気がする、と不要な回想まで巡り。
取りあえず、相手にしても同胞にしても、他の誰かがそれぞれに意地悪をするようなら、そいつらを殴ってやりたい気持ちにもなるな、とも考え。……それが友情なのか? そこは結局よく分からず。様々なことを思惟しつつも、表面上はちょっと口数が少ない程度で、要するに平常と大した変わらず(←) つつがなく食事を終えれば、相手と出会ってからこれまでで最も長く滞在した街を相手とともに後にして)
鉄の馬車……か? そんなの、かえって重たさでノロくなりそうだけれどな。馬が気の毒な気もするが……何か工夫されてるってことなのか……?
* * * * * *
(そこからそれなりに日数が経過し。目的地までやや長めの旅程。野宿もすれば、小さな村にも泊まり、そこそこに大きな町にも立ち寄って、初めて鉄道も利用して。田舎や山に差し掛かった際には、宣言通りに鹿狩りや魚釣りも行い、所々で資金を獲得しながら、ようやく辿り着いたのは険しい鉱山に囲まれた谷あいに位置する人里で。先に利用した見るからに立派な主要鉄道とは差異があるものの、一応ローカルでこじんまりした鉄道が生きており、その一つの便を利用して、寂れた駅に降り立てば、はぐれないようにさりげなく相手の服の袖を掴みつつ、辺りを軽く見回して)
……長かったが、やっと着いたな。にしても、本当にでかい山だらけだな。
(/ご相談に応じて頂きありがとうございました^^ゞ 本編はハイパー超ロル回(しかもほぼ心理ロル)で恐れ入りますorz 場面転換もしました。)
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