匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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「ほら、君もここに座って」
(男がテラスと呼んだスペースに向かえば、設置された長いテーブルと無造作に並べられた簡素なチェアを前に、ひとまずは立ち止まってしまい。勝手に座ると怒られることがあるが故なのだが、男は一貫して気さくな雰囲気で、空いている席を勧めてくれたため、大人しく着席し。先にいた職人たちは疎らに席を取っており、自分たちは今、隅に座ったため、実質すぐ近くには誰もおらず、一番近くの者は足を組んで雑誌を読んでおり、こちらには関心がなさそうで。男は手早く二人分のコーヒーを入れれば、相手と自分、それぞれの前に置き、その後相手の正面に座れば、色々と話を始め。職業は何をしている?目利きは何処で覚えた?等と聞いていくが、相手が少しでも言い淀めば、あっさり話題を変え、決して追求はせず。他に邪な意図があって探りを入れているわけではなく、純粋に魔道具やお宝についての話がしたいという好奇心一本の様子。そのうちに、他の魔道具師や、同じ商会所属と思わしき商人も数人が入れ替わりで寄ってきて。時には物品を見せ、これの価値は分かる?どっちが本物だと思う?等と会話を交わしながら、隊商のメンバーは何だか楽しそうだし、たまには自分にも "君はこういうのは分かる?" 等と聞いてきたりして。やがて、ふとした間に相手が独り言らしき呟きを口にすれば、最初の男がそれを聞き広い)
「あん?名品のオークション?何のこと?……ああ、奴隷市があるから?やっているところはやっているかもね」
(と切り返し。続けて、こちらを一瞬見た後に、少し考えるように一拍の間を空け、次に相手と自分、どちらも捉えた広い視界を保ちつつ、でも、どちらかというと相手の方に向けて『ねぇ、聞いていいのか迷ってたんだけどさ。その子って奴隷じゃないの?』との問いかけ。毎回毎回相手に否定させるのも何なので、さすがに聞いた瞬間、素早く口を開けば「奴隷じゃない。オレとこいつは連れ同士だ」と即答し。恐らく最初は、奴隷市のある日に壊れた主従の腕輪をはめてやってきたので、売ろうとしていた奴隷を売れなくなって困っている、ぐらいに見られていたのかもしれない。その割りに、相手の口振りはブローカーらしくないし、自分に対する態度も自分の挙動も奴隷らしくなかったので、不審に思われていたのかも。すると、男は引き続き、話したくなさそうなことを聞き出すつもりはないらしく、テーブルに頬杖をついて感心したように)
「訳有りというのは最初に聞いたけれどね。不本意に契約されちゃったの? なら、その腕輪について……今、生きている契約内容とその作用は把握済み?」
(/まとまるのかが謎ですね笑)
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