匿名さん 2018-06-10 12:20:27 |
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な!?ちょ!? 待ってくれよ! オレ、まだアンタに用が!
(短時間の間に二度も唖者と勘違いされても直らないボサッと癖を再度発動させ、地蔵のように相手と老職人の会話を大人しく聞いていれば、その過程で相手は何やら地雷を踏んでしまったらしく。剣幕もあからさまに怒り出した老職人の手でぽいぽいっと捨てられるかの如く、有無を言わさずテントから追い出されれば、すぐに振り向き、閉まりゆく入り口に向けて叫ぶも、次の瞬間にはシャッとチャックを閉ざされてしまい。ちょっと、待った、オレのショルダーバッグはどうなるんだ、今のままじゃ身に付けた状態で人容を解くだけで霧散するんだが!?と、もうテントの壁を隔てて奥へと消えた老職人の行動を、引き止めるかのように伸ばしかけた手は虚しく宙で所在を失い。絶望的な表情で佇んでいれば、さっきの気の良さそうな男が寄ってきて、何やら解説してくれたが、今さら特に役立つ情報でもなく(←) いや、行動の謎が分かるというのはプラスか(←)
……この男も魔道具師なら、頼んでみればいいのかもしれないが、本当に正直なことを言うと、実は人見知りなのである。ニコニコとこちらを見下ろす男を見て、特に悪感情もないが、自分のお願いを気安く切り出す方法が分からなくて。依頼を口にするどころか、つい、相手をさりげなく盾にするように斜め後方へと一歩下がってしまい。ところが、男は実際に気の良い人間らしく、その自身の態度にも気を悪くする様子はなく、相手に向き合えば、相変わらず今一つ悪びれてはいないヘラヘラした表情ながら、耳の裏をかきつつ『いや、悪かった。でも、頼みは聞いてもらえたのか? 地雷ワードを教えなかったお詫びと言っちゃ何だけれどさ、テラスでコーヒーの一杯でもどうだ?』と述べてきて。視線で指し示された方向には、テラスと呼ぶには少々安っぽい気がするが、掘っ立て式のテントと簡素なテーブルとチェア、コーヒーマシンが並べられ、何人かの職人が寛いでいる空間があり。……こちらとしたら、今黙って此処を立ち去らなくて済むのであれば、有り難い話だが、何故、こんなに親切なのかは少々不審。しかし、その答えはすぐに男の口から語られ。その口調は珍しい玩具か、あるいは昆虫でも見つけた少年のように無邪気であり、好奇心と暇潰しからの悪意なき誘いであることは分かりやすく)
兄ちゃん、それなりに目利きできるんじゃないの? さっきの腕輪も面白かったし、ちょっと話そうぜ。
(/そもそもトピックタイトルが← 看板に偽りなしですね笑 本編では拙女に無言の描写が多い理由もあっさりストレートに書きました。戦闘ハイか酒乱発動中以外、つまり素の状態だと主に親しい人としか話せない← いっそ、シュミット爺様も加えて「協調性のない三人」でも偽りない気がしますね←)
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