◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Leone
レオーネも、これが好きなの? ふふ、そっか、同じなんだ。レオーネと、同じ。…ふふ、ふふふふふ。お酒って、何だかふわふわして面白いねぇ。
(耳障りの良い彼の声音を聞いている間も依然こくこくと滑らかな赤を喉に流し込んでは、酒ばかりが要因という訳でもない身が浮くような陽気な感覚にへにゃへにゃと緩く笑みを零し。はたして余程アルコール度数の高い品であったのか、それとも単に己が酒に弱い性質であるが故なのか。どちらであるかなどこの甘ったるい愉悦の前では取るに足らぬ事と、楽しげに肩へ置かれた手にますます喜色を強め、僅かに空いた互いの隙間すらも惜しいとばかり軽く身じろいだその時。心地良く紡がれていた話の矛先が先客の存在にまで及ぶや否や、ふっと緩やかな口角を一瞬で下げると共に、想い人と物珍しい洋酒にばかり向かっていた視線をようやく卓上へと滑らせて。そこに残る数々の痕跡の意図をよもや理解し得ない筈もなく、忽ち先刻の思い出したくもない悪夢が、あの約束より続く鬱屈とした感情の蓄積がアルコールを乗せ脳裏を駆け巡ったが最後。――彼の白い腕を力強く掴み取り、肩を押しソファーへときつく縫い付ける。手荒な所業に彼の手にしていたワインボトルがごろごろと床を転がる音が鼓膜を打ったが、そんなものになど構うものか。抱くべき思慮の類いはとうに腹底にて揺れる真赤に呑み込まれ、空いた手で邪魔な仮面までをも身勝手に取り去っては、必死に蓋を閉ざし続けた我欲を醜く溢れ返らせて。)
今日の君は、本当に悪い子なんだね。…いや、いつもかな。ほんとにレオーネはいつもいつもいつもいつも、誰も彼もとそうやってすぐに仲良くして――…少しくらいお仕置きしないと、駄目なのかなぁ。
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