◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Junlong
…、貴方は…貴方は本当に変わってるなぁ。
(過度の自虐を交え偏屈な反応を返してしまった此方に対し眉を寄せるでもなく、さりとて上澄みを掬う様な形ばかりの気遣いを見せた訳でもない。先の会話と同様、それが彼の心からの素直な言葉であると察すれば、酷い困惑から一転ふ、と柔らかな笑みを零し。「…こんな俺でも良いのなら、喜んで」引いていた手を一度離し、代わりにその手の平を見せるように相手へと差し出すと、確りとした友誼の証明たる握手を求めて)
>Leone
(辛うじて出血には至らなかったとはいえ、白く薄い皮膚へ突き立てた容赦のない唐突の歯牙に、至極当然の憤りや拒絶の色が返って来る気配はなく。むしろ此方を柔く受容するかのような予想外の態度に、不意にあの日自らの手を取った彼の姿が重なり失った己を僅かなりとも取り戻しては、たった今仕出かしたとんでもない暴挙を今更ながら自覚し。「…ッあ、…お、俺…!?」酷い狼狽を露に彼を侵す歯牙と全く用を成さなかった拘束の手を離すと、周囲を雨に包囲され逃げ場のない傘の下、預けられた楽器ケースの濡れぬギリギリまで必死に距離を取って。けれど、卑しい己の瞳はつい今しがた刻印したばかりの身勝手な情動の発露たる幼稚な所有印へと吸い寄せられてしまい、…ぞくり、と忽ち背筋を駆けた暗い愉悦に強烈な嫌悪と罪悪感が同時に沸き上がって。それも、よりにもよって一際目立つ首筋、この後控える仕事に多大なる支障を来すだろうそれに、一体如何な説明を付け詫びれば良いのか、皆目検討も付かず色すらも失いかけたその僅かな間。先の途切れた問いに対する思わぬ回答を得ると同時、いつの間にかその手に握られていた仮面の存在に気が付き。――…それが、彼にとってどれ程の想いや決意、覚悟の必要な行為かという事は、これまでの“我儘”により多少なりとも知れて。他でもない彼が形振り構わず懸命に示した想いの丈、更には強い意志を宿し開かれた紫眼が、己の凍り付く心臓へ暖かな火を灯らせて。…決して、此方の一方的な思い上がりなどではなかったのだと、続く彼の言に小さく頷く様に俯き揺らいだ瞳からぼろぼろと涙を溢れ出させては、嗚咽混じりの口元を手の甲で抑えてもなお堪えきれぬ自責の念を。)
――…レ、オーネ。……っ、ごめん…! ごめん、俺ッ…あんな、…っあんなに信じてとか…す、すきだとか言っておいて…! 君の事、全然信じてなんていなかった…ッ。
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