◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Leone
…ごッ、ごごごめんなさい! っあの、やっぱりこの傘と楽器ケースは君が一人で、――…えっ、お、俺なんかの好きな曲で良いの…?
(やはりかように濃密かつ繊細で恐ろしいまでに美しい音色を奏でる彼のそれは魔法を宿すのか。雨に晒されヒヤリと冷たい彼の手は、自身を冷やすどころかむしろ酷く熱く昂らせて。しかし撤回は勿論のこと一度触れたその手を離すのも何やら無性に躊躇われてしまい、せめて重ねたそれと常より隣接してしまった彼から意識と視線を極力逸らし、道案内に集中するよう歩を進め。案内に従いT字路を曲がった際、隣で不自然に途切れた音につい不安に駆られ己の顔を彼へと戻しては、足を止めぬまま仮面によって隠されたその色を懸命に伺う。その何処と無く暗い影が差すような相手の表情に、ああ成程遂に強引な先導への怒りや不快感を訴えられてしまうのかと杞憂が先走り。先程の強固な意思も何処へやらハラハラとした面持ちで惑う内、やがて紡がれたのは拒絶ではなく選曲の問い掛けで。既に心折れ幾らか口から零れ出していた謝罪の言葉を慌てて引っ込めては、先の一瞬の暗色が引っ掛かりつつも視線を数多の雨粒が降り注ぐ地へと落とし、いたく真面目に思案する。彼と約束を交わしたあの日から、クラシック音楽については多少なりとも勉強した為にそれなりの曲数は記憶しているが、肝心の選曲に対する自信の欠如が著しく。まぁ、とはいえさすが有名所の曲であれば、己の歪んだ感性に基づき選んだものであってもそう大きな問題はないだろうと、しばしの後に恐る恐る視線を持ち上げようやくの返答を口にし。)
――…パッヘルベルのカノン、かな。あの日弾いていたような、泣きたくなるくらい穏やかで優しい君の音色が、俺は一番…。っ、えっと、…気に入ってる、んだ。
>Junlong本体様
(/時間の都合上、続きはまた後程お返しさせていただきます。申し訳ありませんが、もうしばらくお待ちくださいませ…!)
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