◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Noah
恩も何も、帰宅中にたまたま見かけたから拾っただけなのに
( こちらの声を皮切りに、じっと俯いていた男はたっぷり何かを思考するような間を空けた後顔を上げた。その小さな動作と共に、パーカーの皺が落とす陰影の揺らぎに視線をやる。彼はいつもこの黒い上着を着用していて、蛇の腹のようになまっちろい皮膚が余計際立って目についた。
途切れ途切れに言葉を紡ぎ出した男の瞳を覗き込むも、視線は一瞬だって交わらない。白い瞼に覆われた暗い色の瞳は己の顔より下辺りをふらふらと彷徨っていて、こうして顔を突き合わせることも、繊細な彼にとっては緊張の種になりうるのだろうかと考える。ならば視線は向けずにいてやろうと気を使い、ワイパーに弾かれさざ波のように蠢くフロントガラスの雨粒へ視線を移して返事をした。
タクシーは進む。多少気がせっつくほど安全運転な車は運良くほとんど信号に引っかからずに駆けてゆき、みるみるうちに目的地との距離を縮めていった。同時に空の色も穏やかな変化を見せている――予想通り、局地的かつ一時的な悪天候だったのだろう。目に見えて弱まり始めている雨足にほっと息を吐いて、頭を寄せていたドアガラスから外を眺めて口を開いた。 )
とりあえず、うちに戻ってご飯でも食べましょう。……ああ、それとも一休みが先?疲れてるなら洗濯もの回しておくから、遠慮なく昼寝しておいで
>主様
(/お忙しいところご連絡ありがとうございます。今月いっぱい慌ただしいとのことで承知いたしました。当方へのレスは後回しで結構ですので、心置きなく私生活の方優先していただけると幸いです。
細やかなお心遣いをありがとうございます。どうかご自愛くださいませ。こちらご返事には及びません。)
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