◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Noah
( 動揺を隠すことなくばたばたと駆け寄ってきた男を見やって、笑ってやるのはかわいそうだとによによ唇を引き締めタイミングよくドアを開けてやる。隣にしっかり乗り込んだのを確認すると、運転手に向かって「行先は予定通りお願いね」とからりと告げた。
タクシーはゆっくりと動き出す。雨が激しく叩きつけているガラスにこつんと頭を寄せて、スケッチブックを抱えた青年の真っ白い横顔に視線をやった。短い襟足の隙間から覗く細い首の骨。小さい頭に薄い肩。小柄な子だとは思っていたが、近くで見るとより一層頼りない印象を受けた。しかし筋骨隆々でこの性格というのもアンバランスなので、彼はこのままで良いのだと思う。グレーの瞳は嫌いじゃなかった。 )
通り雨かな。そのうちやむと思うけど、災難だったね。
>Jack
そうなのロッキー。賢い子ね
( 長いベロを垂らしてぶんぶんと尻尾を振る毛むくじゃらに対し、きゅっと目を細めて笑みを浮かべる。疲れたように起き上がった男に視線を向けて切実な訴えを聞き届けると、またくるりと愛らしい大型犬に向き直って茶化すように返事をした。巻き毛の雄犬は体温調節に必死なのか吐く息こそ荒いものの、今は大人しくそばに腰を落ち着けている。乱雑に広げた食べ物にとびかかってこない辺り、真の意味で賢い子だ。牡牛のシルエットが印刷された黒いボトルを掴んで、ほんのり肌の焼けた男に向けてにこりと微笑み口を開く。 )
それはそうと、救世主の遅い朝食に付き合ってくれる?溶けかけのジャック
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