◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Jack
っあ、ありがとうジャック……! …ご、ごめんね、俺が助けるつもりだったのに…。
(愛犬からの強襲を受け目を白黒させていたが、彼の機転に助けられてはよろよろと起き上がり、さんざ舐められ顔にベッタリと付着した涎を服の袖で拭って。尻尾をちぎれんばかりに振り回しお気に入りの人形に噛み付くその後ろ姿を苦々しい面持ちで一瞥すると、飼い犬一匹どうにも出来ない無力感にため息を吐き、しょんぼりと眉尻を下げて上記を。やはり日頃の不摂生と極度の運動不足による筋肉量の目減りが酷いが、これはもういよいよ一念発起して筋トレでも敢行するべきなのだろうか……。などと自身にとって到底無謀な試みを形ばかり検討しつつ、小旅行での一件もありソファーに座る彼を些か強過ぎる憧憬の眼差しでそっと見下ろして。その際、彼の手中にある先程渡したコーラのペットボトルを視認するや、一時忘却していた喉の渇きが蘇り「…あっ、それ、勿論飲んじゃっていいからね」と自分用の飲み物を再度キッチンへ取りに行こうとして)
>Junlong
わあぁっ!? じゅ、俊龍……!? ど、どどどうしたの、濡れちゃうよ……!
(スケッチブックに向かい適当に鉛筆を走らせていると、眼前に急停止した謎の人物と突如呼ばれる自身の名に、表情を忽ち一変させて何事かと顔を上げ。はたして、激しい雨に晒される中眼前に佇んでいたのはシェアハウスメンバーの彼で。こんな所で偶然邂逅するとは、と驚きに目を見張ると同時に、髪や肌に水が滴り、普段とは異なる艶やかな雰囲気を醸し出す目鼻立ちの整った彼にさすが俳優、と一瞬状況を忘れ内心感服する。この場面を撮れば中々粋なシーンとなるやもしれないが、生憎ここに回っているカメラなどなければ、タオルや替えの服といった十全なアフターフォローの用意もない。まあ所詮は通り雨なので、その内雲の隙間から顔を覗かせる煌々たる太陽が瞬く間にその水分を吸い上げてくれるだろうと予測はつくものの、だからといって今現在酷い雨に打たれている彼を放置するなど出来るはずもなく。描きかけのスケッチブックを小脇に抱え、慌てて自らも雨の下へ飛び出せば、彼の肌に張り付いている服の袖を控え目に軽く引いて軒下へ招き入れようと)
(/此方こそ、絡み有難うございます…! よろしくお願い致しますね!)
>Tonia
――ひっ!? と、トニア…っ!? な、なななんでここに……え、ええっと…!
(店先に停止したタクシーにも気付かず自らの世界に埋没していると、唐突に投げ掛けられた力強くも清涼な声が自らを現実に引き戻して。これには先程轟いた雷鳴よりも遥かに驚かされてしまい、盛大にびくうっと体を跳ねさせ、握力を忘れた手のひらから鉛筆をも滑り落とす。コロコロと地を転がるそれに見向きもせず、弾かれたように戸惑い顔を上げれば、瑞々しい新緑の瞳と目が合って。トニア・デ・フランコ。華々しい実績を誇る実力派ダンサーでありながら人柄も気取らず朗らかで、陰鬱な自分とは正反対に明るい日の下が実によく似合う眩い女性。そんな彼女と真正面から視線を交錯させれば、瞬く間に劣等感に基づく畏敬の念が発露、ぱっと罰が悪そうに視線を外し左右に泳がせて。彼女が声を掛けてくれた状況から、恐らく雨宿り中の自分を見かねての有難い親切心と推察するも、はたして彼女の好意にそのまま甘えてしまっていいものか。ここは丁重に感謝のみを述べ遠慮するのが己の分を弁えた正しい対応なのでは……などと普段であればグダグダ思い悩む所だったが、キッパリと明白に下された指示に奴隷根性の染み込んだ体は反射的に動いて。わたわたと性急な動作で湿った床に手を付き、転がった鉛筆を拾うと共に腰を上げれば、眼前の道に停止した車の後部ドアに駆け寄って急ぎ乗り込もうと)
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