響きあう物語

二股では、ないわ、久美子の事は、本気で好きよ……（真剣な表情で久美子を見つめ
せっかくここに来たんだからセッションをしない……？（トランペットを構えると楽しそうに微笑みながら久美子と一緒に音を奏でたい事を伝えて

そんな図々しいことをよくそんなマジメな顔で言えるね～？
（ぷっ、と苦笑して）
わたしは麗奈だけなのに
ズルい
（冗談めかして不平を言いながら
ユーフォをケースから出して）
当然
じゃなきゃこんな重いの、わざわざ持ってこないし

自分の気持ちに正直なだけよ
そんなにずるいかしら……？（久美子にふふくを言われると困ったように苦笑いを浮かべ
さすがは久美子、解っているわね（久美子の方に
嬉しそうに薄く微笑みトランペットを構えると音を奏ではじめて

麗奈らしいよ
いいんじゃない
（くす、っと笑って）
なにするの？
（並んで音出ししながら演奏する曲をたずねて）

久美子にそう言ってくれるのならば安心できるわ
でも少しだけバカにされているみたいだけれども……（安心したように微笑むけれども苦笑いを浮かべふふくを伝えて
そうね……久美子と私がはじめて一緒に弾いた曲を覚えている……？（トランペットの音を出すのをやめて久美子を試すように久美子の顔を覗き込み久美子の反応を確かめて

お返しだもん
らしい、って
（悪戯っぽい笑みを浮かべて）
大丈夫
いい悪いじゃなく、麗奈の魅力的なところだから

（マウスピースを口にあてて）
分かった
好きだ、って言ってたもんね？
（試されてる、って思ったけれど
あえて表情を動かさずさらっと流して）

ねにもっているのね……（少しだけため息を吐いてじと～と久美子を見つめ
ありがとう、久美子……（薄く微笑み久美子に気遣いのお礼を伝えて
ええ、そうよ、あの曲は、好きなのよ……（薄く微笑みトランペットを構えて空気を吸って久美子の曲の音に合わせるタイミングをはかるようにちらっと久美子を見つめ

一晩寝たら忘れるから
安心して
（してやったりとばかりに得意げな表情で）
思ってることを言っただけだから
お礼なんかいらないよ～

曲が、ね？
（意味ありげに確認して
麗奈と目が合うと呼吸を合わせて、演奏を始めて）

は～……まあ、良いわ……（久美子がしてやったりとばかりに得意げな表情になったのを見て少しだけため息を吐いてしかたがなさそうに苦笑いを浮かべて
～～♪（目を瞑り心を込めて久美子に合わせるようにトランペットで曲を弾いた

～♪────
（１曲、演奏を終えて・・・）
はぁ～～～
ダメだぁ
麗奈の音についていけてないよぉ
（がっくり、大きなため息をついて）

～～♪（１曲、演奏を終えるとトランペットを口から離して
あら、私、久美子の音は、好きよ……（久美子ががっくりして大きなため息をついたのをみて愛おしそうに久美子を見つめ薄く微笑み

そう言ってくれるのは嬉しいんだけどねぇ
（楽器を下ろして）
自分でもこの半年でだいぶ上達したとは思うんだけど
麗奈、言ったよね
特別になりたい、って
（体ごと向きなおって正面から麗奈を見て）
わたしも、特別な麗奈にふさわしい特別になりたい
麗奈を嫉妬させたい

そう……久美子、頑張って……
でも久美子は、私にとってじゅうぶん特別よ……（顔を赤らめて照れを隠すように前を向きながら久美子に聞こえるか聞こえないかの小声で呟き

ん、わたし、がんばるよ
本気だから
（前を向いて
街並みの向こうに視線をやりながら決意を新たにして）
？
麗奈、なにか言った？
（きょと、と微かに赤っぽい麗奈の横顔を見て）

うん、楽しみにしている……（小さく頷き愛おしそうに久美子を見つめ薄く微笑み
うんん、なんでもないわ……（さすがに二度言うのは、恥ずかしくて軽く首を横に振り自分の発言を誤魔化して

ふーん
（気になったけれど、まぁいいかと思って追求はせず
少しのあいだ、麗奈の横顔に見とれて
綺麗だな、と思って）

久美子、どうしたの……？（久美子の視線に気付いて久美子の方を向いて不思議そうに首を少しだけ傾げて

麗奈って、綺麗な顔をしているよねぇ
なんでモテないのかなぁ、って思って
（くす、っと微笑んで素朴な疑問を口にして）

別にモテたくないわよ……
ある特定の人には、好きになってほしいけれども……（いやけがさすように軽くため息を吐くと久美子をじっと見つめ久美子に好きになってほしい事を遠回しに伝えて

ま、なんとも思ってない人にモテてもね
（いろんな人のことを思い浮かべながら深く納得して）
そんな遠回しに言わなくても滝先生のことは応援しているから
（なんで今さらぼやかすのかと苦笑して）
ね、せっかくだからもう１曲しない？