響きあう物語

久美子、今、何か言ったかしら……？（表情は、ニコニコしているけれども背景に怒りのオーラをまとい
ええ、いつものところよ……
気長に待っているわね……（自分の腕を軽く組んで優しく微笑み
気が向いたらパート練に顔を出すわ
でも私の為になりそうでは、ないけれどね……（軽くため息を吐いてひにくを述べて

いえ、なにも
さ、わたし行かなきゃ～
（慌ててカバンを持つと教室を出ていこうとして）
麗奈は麗奈のままでいいと思うよ
（にっこり笑うと小さく手を振って教室をあとにして）

ありがとう、久美子……（久美子に聞こえるか聞こえないかの小声で久美子にお礼を伝えると右手を軽く振って久美子をみおくり
私も行こう……（鞄とトランペットの入ったケースを持つといつもの練習をしている丘に向かい

もう帰ってるかなぁ
（結局、パート練が終わったのはお昼もすっかり回った時間で
みどりと葉月のお昼のお誘いを手を合わせて断って、さっきから鳴りっぱなしのおなかをさすりながら大きなユーフォのケースを背負って、丘に登る階段を息を切らせながら上がって）

～～♪（いつもの場所に着くと丘から街の見下ろす景色の前で目を瞑り気持ちを込めてトランペットを吹いていると時間が過ぎるのを忘れて

麗奈、いたぁ
（やっとの思いでたどり着いた丘の上で麗奈の姿を見つけてその場にへたりこんで）
もしいなかったら、こんな重いものかついで
わたしバカみたいになるところだったよぉ
（あははー、とくたびれた笑顔見せて）

あら、久美子じゃない、そんなに急いでどうしたのよ……（いつもの丘にたどり着いた久美子にわざとらしく不思議そうにきょとんと首をかしげながら久美子を見つめ

あら、久美子、遅かったのね……もう来ないのかもと思ったのよ（久美子がいつもの丘に現れると少し嬉しそうに微笑むと直ぐに表情を引っ込めて遠回しにひにくを伝えて
もうパート練は、良いの……？

これでも急いで来たんだよぉ？
（ケースを下ろして、麗奈の隣に並んで街並みを見下ろして）
登ってくる時は汗かいて暑かったけど
風が吹くと寒いね
（ぶる、っと震えて
自分の身を抱きながら苦笑浮かべて）

本当ね、少し肌寒わよね……
久美子、飲みかけだけれども私のお茶を飲む……？（寒そうに自分の腕をさすると飲みかけのペットボトルに入ったお茶を久美子に向けて

いいの？
ちょーだい、のど、からっからなんだ
（嬉しそうに受けとると、のどを鳴らして一気に飲んで）
おっと
全部飲んじゃうところだった
ありがと、麗奈
（ハンカチで飲み口を拭ってから笑顔で返して）

どういたしまして、でもこれって間接キスよね
もしかしたら私のファーストキスの相手は、久美子かしら……？（ペットボトルを返してもらうとペットボトルに軽く口につけて色っぽく微笑み

ふーん
麗奈ってそういうの気にするんだ
（口に手をあててにんまり笑って）
ちょっと可愛い
ちなみにわたしも初めてだから、おあいこだね
（くす、っと微笑んで）

久美子もはじめてなのね……
これは、私が久美子の責任をとらないといけないのかしら……？（口元を押さえて真剣に考え込みながらしみじみと久美子に間接キスをした事を責任をとらないといけない事を述べて

間接キスで責任って？！
麗奈、いつのひと？
（目を丸くしてｹﾗｹﾗ笑って）
で、麗奈の責任の取り方ってどんなの？
（興味津々にじっと見て）

あら、久美子の間接ファーストキスは、それだけ価値があるものよ……（目がマジになりながら久美子を見つめ
そうね、責任と言ったら結婚とかかしら……？（口元を押さえて考え込みながら呟くと自分の言った内容の意味に気がついてなくて

それはさすがに・・・
言われるこっちが恥ずかしい
（赤くなって、横を向いて目を逸らせて）
結婚って
そんなこと、言っていいの？
滝先生のことはどうするの？
（ﾁﾗｯと麗奈の表情を伺って）

久美子たら恥ずかしがって可愛らしい……（久美子が赤くなって、横を向いて目を逸らせたのをみて口元を押さえてくすくすと笑い愛おしそうに久美子を見つめ
あら、滝先生は、特別よ
でも久美子も特別なのよ……（久美子の頰を触り薄く微笑み

・・・ふたまた
（頬を撫でられ、恥ずかしそうに麗奈の顔を見れず、ﾎﾞｿｯと呟いて）
でも、付き合っているわけじゃないから違うか？
（思い直してきょと、とたずねて）

違うわ、久美子も滝先生も本気よ……（真剣な表情で久美子を見つめ
せっかくここに来たんだからセッションをしない……？（トランペットを構えると楽しそうに微笑みながら久美子と一緒に音を奏でたい事を伝えて