人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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結界──それだ!私には心強い味方がいるんだからね!
( その手があったか。とばかりに、一筋の光に縋る。相手は妖精の事を言っていると思うだろうが実はもう一人、偶然の出会いを果たした女性がいるのだ。そこには敢えて触れずに、勝手に友にしたスライムに対する価値について安心したように一つ深い深い息を落とし。「だって根こそぎ、なんて言うからさ。洞窟内の全部持ってかれるかと思うじゃんか」それもこれも結界さえ出来れば心配は杞憂に終わるのだが。不服そうな苛立ちを乗せた舌打ちに「ごめんね魔法使いさん」なんて形ばかりの謝罪を続けて。そうして茶色のような、紫のような、怪しげに色をつけながらその命を落とした落ち葉を拾い上げつつ、忠告に素直に従うべく来た道を戻ろうと向きを変えた瞬間、ぐにゃりと視界が歪むと同時に酷い頭痛と息苦しさを感じ。「、ッ」これは不味い。頭痛の隙間で早急に立ち去れと警戒音が鳴るのだが、息苦しさも目眩も何もかもがそれを阻むのだから為す術がない。「ま、ほ使いさん…!息、出来ない…っ、」片手で胸元を握り締め膝を着けば、この状況を打破すべく反対の手で鞄をまさぐり杖を取り出すも、治癒魔法も、風力を操る魔法も、この状態ではろくに操れなければ結果的に相手へピンチを伝えるだけとなり )
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