人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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それでは話にならんな。もしどうしても守りたいと言うのであれば、俺を寄せ付けないような結界でも張ってみせろ、馬鹿者が
(勢いを失い、途切れ途切れにさらなる反論をしようとして、明確な解を見つけられなかった様子の彼女。しおらしい姿を使い魔の瞳越しに見据えては、魔法使いの気分は右肩上がりに持ち上がる。森を己の庭だとばかりに、侵入者は追い払う傲慢なその姿勢でもって、似た手法で対抗してみせろと。挑発じみた言葉を彼女はさて、どう受け止めるだろうか。続くスライムについては、口許に浮かべていた笑みをまた不機嫌そうなへの字に曲げ「何故生殺与奪な話になる。掃除屋の死骸何ぞに、そこまで高い価値がある筈無いだろうが」無闇矢鱈に見境のない略奪者として判断されたならば、不愉快だと全面的に言葉に滲ませ。無益で、得の無い無駄な殺生は己の好む在り方でも無ければ、不服そうな舌打ちをその後に鋭く打ち鳴らし。そうして彼女の引率の元に行われる森の観光。目を惹くような景色が無ければ、興味の削がれた魔法使いは使い魔との目の接続を切り、聴覚だけは保持したまま、館の自室にてソファーに腰を下ろし、読書を嗜む態勢へと移行し。それ故に、人の身には害を成す地点に彼女が侵入してしまった事に反応が遅れてしまう。違和感を伴う声に反応し、沈黙していた使い魔から声が響き、瞳には微かな光が戻り「何事だ?……ハッ、さてな。覚えがあるような気もするが……確かなのは、貴様にとってこの地の淀んだ魔素は毒である事くらいか。早々に立ち去るのが懸命だ。ついでにそのまま家にまで帰ってしまえば良い」此処に至るまでの道中の景色を見逃していれば、似通った森の景色に一致するこの場へは、真実はどちらにしろ曖昧な返事を。使い魔はそもそも生命では無く、機械仕掛けじみた作り物であれば、影響を受ける範疇外の位置でもあり。そうして魔素の濁りを確認すれば、空気を既に多く取り込んでしまった彼女へは遅すぎるかもしれない助言を告げ。事態を甘く見積もっている魔法使いは、普段と変わらぬ口調で帰れと呼び掛けようか)
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