人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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理由は──ない、けど。私の物でもないけど…でも!……全部無くなっちゃうのは嫌だよ…。
( 小鳥を頭の上に携え正論でしかないその言葉に的確な理由も何もかもを述べる事は出来ずに、ただただ同じく感情論だけをしょんぼりと紡ぐ羽目になり。それは続けられた言葉にもまた同じ事。キラキラと輝く野菜、摩訶不思議な姿へと形を変える野菜、それらは相手には決して珍しいものではないのだ。共に共感し喜ぶ事が出来るとは思っていなかったが、先の事もあり気分はドンドンと急下降して。「…もちゃだけは絶対殺さないでね…」野菜とは関係の無い、再び話の持ち出しを行えばそのスライムがのそのそと歩く横を通り過ぎ洞窟の外へと出て。後はもう行き当たりばったり。特別見せたい場所がある訳でもなければ、本日の主役となる散歩を行おう。葉っぱが青々と茂る木々の隙間を縫って歩き、清々しい日差しと風を受けながら進む事、ふ、と空気の変わったような気がした。それに僅かに疑問を抱いてすぐにやめてしまえば、それから数分も経たずして見た事のない景色──ずっしりと重く肺に落ちてくるような空気と、葉が枯れ果て幹だけになってしまった木々達が広がる開けた場所へと到達し。「…うわ、何か毒々しいよ此処!魔法使いさん、此処、来た事ある?」目には見えない無色透明の瘴気が充満している事には気付けない。空気をたくさん取り込みつつ頭上にいる小鳥へと問い掛けを行って )
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