人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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はーいっ!魔法使いさんありがとーございます!
( グチグチとねちっこく紡がれる嫌味には慣れたもの。下手に歯向かう事もなくお礼だけに留めれば、頭の上を陣取る小鳥は少しばかりの重さを増し。それからすぐに妖精のそれとは違う冷たい光が闇に包まれていた洞窟内をじんわりと照らしていく。光の範囲が広がる毎に、壁、地面に埋め込まれた魔石の欠片が反応し反射するようにキラキラと輝き。何度見たって美しさの変わらない独特な世界の中、もっと奥まで行けば本当に見せたい景色があるのだが、右足を前に踏み出したその時、動かなければわからなかったモンスター…友達がのっぺりとした移動を見せれば、待ってましたとばかりに大股でスライムの横にしゃがみこみ。「魔法使いさん見て!見える?このスライム君私の友達なんだよ!名前はもちゃ。──あ!ほら!此方にもいた!」小鳥を通して相手にも見えているだろうか。頭をなるべく下げ見やすい形を取りつつ、一匹だけではない“もちゃ”を次から次へと指差し。その途中で岩壁の亀裂から生えている小さく光る植物を見付けては、「これも見せたかったやつ!この前の時、胞子少しだけ貰って今クローゼットで育ててるんだけどさ、なかなか大きくならないんだよねぇ」興奮冷めやらぬ様子で矢継ぎ早に言葉連ねていき )
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