人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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……ほぅ、珍しく察しが良いな。少しはその空っぽな脳みそに、漸く一匙分の知恵が伴ってきた頃か
(切り株の上に陣取っていた小鳥は、木の葉を踏みしめ接近してくる彼女に反応を示し、くるりと半回転するように体の向きを修正する。生き物ならば温かみのある呼吸を繰り返す筈の体は、魔素を粘土のように捏ねた作り物。館にて、手元に集中し口を動かすのは二の次な魔法使いが操るからか、一つひとつの動作は何処か無機質な機械を連想させるだろうか。この使い魔を飛ばしたのはただの一度きり。しかし、普通の鳥だと見間違わなかった事には、ふてぶてしい物言いの中に、本人からすればこれでもほんの一欠片程は混ぜたつもりだ。相変わらずの憎まれ口を叩きつつ、本日の用件を述べる。拒絶一辺倒は通じないのは嫌でも学習してしまった。それを踏まえ綴るのは、子供に玩具を無造作に与えるような口振り。暇潰しと称する内容をはっきり言葉に表さないのは、彼女がもし以前の発言を忘れていれば、それを理由に立ち去る算段を立てているからで)
俺は生憎と忙しい。貴様に付き合う子守りの時間が惜しい程に、な。故に本日の雑用は無しだ。帰れ……と言っても、大人しくは従わんのだろう。だから、コレが今日の暇潰しだ。有り難く思え
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