人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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( 久しく会っていない父親との再会、その腕にすっぽりと収まるべく飛び込むはずだったのに太く逞しい男性の腕は自身の体を包み込む事はなく、透けた事を認識した直後には吹き付けた風により舞い上がった花弁によって、父親も、そうして鮮やかに弧を描いていた虹までもが跡形もなく消え去り。「──あー…、これはあれだ。ジュリーってば天才」残された大きな大木を双眸に映して漸く妖精に頼んだ魔法による所謂幻覚だった事に気が付けば、胸に巣食う少しばかりの切なさや寂しさを閉じ込めつつ、くるりと振り返り感心するようにぽつりと言葉落として。それから普段と変わらぬ笑みを口元に蓄えては、「私はさ、虹とか父親だったけどジュリーはどんなのが見えるんだろ。…魔法使いさんにもかけてみたいなぁ」他の人達が見る夢に興味を向けて )
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