人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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当たり前でしょ、大好きなヨルに会うんだもの。お洒落に手を抜くはず無いじゃない
(好きな服を着て、どれにしようか組み合わせに頭を悩ませ、自分が納得のいく可愛い姿に成れるのは楽しい。そしてそんな姿で会う相手が、親友と呼んでも過言では無い彼女であれば尚更、自分をよく魅せたいと、鏡を前にし張り切ってしまうのだ。胸の前で腕を組、当然とばかりに鼻を鳴らす表情をどこか嬉しげで。自分が口にした経験の無い菓子を持参してきてくれたと知れば「ますます楽しみだわ」と、声を弾ませつつ相手を導き。鬱蒼とする針葉樹の間を潜り、時間に換算して数分間歩けば、普段は魔法で隠されている境界線を越え、漂う空気がふわりといつの間にか変化する。鼻腔を擽る甘く優しい花の香り。空から注ぐ柔らかな日差し。瞬きした次の瞬間には、桃色の花弁が穏やかな風に流れ宙を泳ぎ、左右には均等に列を成す鮮やかな桜並木と、頭上には雲一つ無い青空が現れている事だろう)
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