人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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──あら、おばあちゃんになっても私と遊んでくれるの?それは名案ね。なら私も探してみようかしら
(流れた空気を払拭するような明るい声音。しかしそれでも心の奥底は晴れない。いつまで相手はこの森に来てくれるのか。寿命以外に病や事故、住居の転機。そんな風に幾つもの障害を考えてしまうくらいには、相手との時間が楽しいのだと思う。一度瞳を閉じてから、自分の為に動いてくれるらしい様に調子を合わせるようにくすりと笑い。相手が立ち上がれば後に続くようにまた空中を浮上し。「良いんじゃない?」此処を自分の秘密基地に。洞窟に意思があったなら怒るか流すかするだろうが、自分にとっては相手が楽しそうで危険が無ければ良いかと軽く頷き。「あっ綺麗ね!ほんと、ヨルは私の好みを分かっているわね。けどこれだけ立派じゃ、道具があっても難しいでしょうね。素手じゃ傷付いちゃうわよ?」相手が発見した魔石。薄ピンクと言えば、冬に彼女の家で飲んだシャンパンを思い出す。眩い輝きを閉じ込めたかのようなそれにうっとり瞳を奪われるが、ゴツゴツとした岩肌から剥がそうとする姿にパタパタ近付けば、その綺麗な指先を守るべく、動きを抑えるように両手で触れようとするだろう。鉱石の採取に必要なツルハシ等の一式があったとしても、何十年、またはそれ以上の月日を経て磨かれた自然の芸術品は、そう簡単には手に入らないだろうから)
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