人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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──んー、こんな所でもまた、人間の寿命の短さを痛感させられるなんて。ま、何にせよ魔法使いさんへの贈り物は凄く珍しい物か、相当意表を突く物じゃなきゃ無理って訳だ。
( 稚魚の数年の話ではなくもっともっと大きな話になっていれば、こんな所でまで人間と魔法魔素に関するものとの生きる時間を思い知らされるなんて。致し方ない事ながら胸が締め付けられるような嫌な痛みを覚えればそれを誤魔化すように一度肩を竦め。そんな空気を払拭するようにここぞとばかりに魔法使いの彼の話を続けては笑みを。と、いつの間にか前方は開け広々とした空間に澄み切った青々しい湖が。その青に反射するように魔素はチカチカと光り、低い天井や石柱に埋め込まれた様々な種類の鉱石が共鳴するかの如く光を放つ。かつてこんな美しい風景を見た事があっただろうか。息を飲むとは正しくこの事、棒立ちのまま息をする事すら忘れていた時間が数分、「……私、ここで暮らそうかな」ぽつりと絞り出した言葉はそれほどまでにこの場所を気に入った証拠。一歩、一歩、湖に向かって歩みを進め澄んだ青を覗き込めば、中にまでびっしりと生えるクリスタルの柱がキラキラと揺れて見えて )
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