人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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ジュリーにはお世話になっております。
( 浮かぶのは妖精の楽しげに笑う顔、美味しそうにお菓子を食べる姿、そうして自らを心配して眉を下げ時には叱ってくれる慈愛に満ちた表情で、それらを思い出して胸の奥にほんわかとした温かみを宿してはどこかお巫山戯も掛かったような口調とゆるりと頭を下げる仕草で以て言葉を続けて。相手が指し示す“たまに”の感覚にズレが生じる事はこれだけ魔法使いと共に過ごして来ても忘れてしまう。それよりも今は対価だ。「ラナさんが欲しいものは何?私が持って来れそうな物だったら幾らでもだよ!あ、お金は良心的な──今回の占いの料金、聞いたっけ?」魔女ならば人間の住む世界の物を欲しがるのではないかという勝手な想像で前者を、そうして後者は、はたと思い出したようでぎこちなくひくりと口角を震わせつつの問い掛けで締め。まるで流れるように並べられていくカードを真剣な面持ちで見詰める事数分、そのうちの一枚が宙へ浮かび表面に映し出されたその姿に確かな見覚えがあれば勢い良く頭を上げ相手を真っ直ぐに見詰め「そう!これ!この人が魔法使いさん!」力強く何度も何度も頷いてから「薬師──聞いた事なかった。それが魔法使いさんの通り名みたいなやつって事だよね?でもだったら魔法使いさんが得意な魔法はもしかして治癒?あ、魔法を使わないでそれこそ畑で育てた薬草とかに今は力を入れてるのかな…」何はともあれ“魔法使いさん”などと言う勝手に付けた名前ではない別の呼び名を知れた事は大きな前進であり。「どうすればもっと仲良くなれるかな?」相手に向けていた視線を再びカードに落としその金色の瞳を食い入るように見詰めては、欲が出るというもの、ぽつり、今の距離感を縮める方法を何か…と言葉落として )
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