人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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そうか。勘違いでさえ喜ぶとは随分と浅い人生を送ってきたのだな
(相手の名は呼んでいないと否定したにも関わらず、上機嫌な鼻歌が鼓膜に届く。どう言った所で喜ばれてしまえば対処に困り、苦々し気にまた嫌味を溢し。続く恨み言へは「自分の思い通りにならないからと幾ら文句を言われようと、俺はメリットの無い事はせん。ましては無知な赤子同然の輩に教えるなんぞ、疲れるだけだ」これだからガキは嫌いだ、と頑なな態度は崩さないまま、湖面に顔を向けた相手をフードの奥にある瞳でジロリと睨みつけ。結果の伴わない強がりな言葉には「そうか」と素っ気なく右から左へと聞き流し。相手がプラスチックを釣り上げては異物を森に持ち込んだ過去の人間達に苛立ったように舌打ちをしつつ、自分はその間も着々と目当ての魚を釣り上げていき。相手の集中力が切れたのか、飽きたような声音での問いには呆れたようなため息をつき「さっきまでの勢いはどうした、もう諦めたのか。──それが出来れば苦労はせん。魔法で網を使って纏めて捕獲した所で、雑多の中目当ての魚をチマチマと選別するのは至極面倒だ。その上魔力に反応し寄ってくるのも居れば、避けるものも、魔力の網を食い千切る奴も居る。幾つもの罠を仕掛けが、全て失敗に終わった。故に、一番原始的で非効率的な手段が、結果としては一番効率がいいのだ」相手に言われるまでも無く、面倒事を嫌う己は楽をしようとあの手この手を試してみたものの、最終的には今のやり方で落ち着いたこれまでの経験を思い返しては、不機嫌そうに声を低くしながら告げて)
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