人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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( 差し出された花を見れば宿題の事も魔法使いへのプレゼントの事も一旦何処かへ押しやられてしまうと言うもの。自分には遥かに小さくお人形サイズではあるものの顔を近づけたその時に確かに香る甘い匂いはチョコレートだろうか。すんすんと小鼻を動かしその甘さをたっぷりと堪能した後そこで漸く鉢植えを受け取れば再び顔を近づけ「ジュリーってば絵の才能あるよ!うん!今度は額縁に入れて飾るやつ描いてもらわなくっちゃ」鉢植えも小さいのだからそこに描かれている妖精も小さい。しかしながら今にもそこから飛び出して部屋中を飛び回りそうな躍動感はひしひしと伝わってくるのだ。大きな大きな喜びと純粋な尊敬を言葉として伝えれば続けて決して壊してしまわぬよう、細心の注意をはらいつつ色とりどりの花弁のうちの一枚、ピンクのそれに静かに人差し指の先端を宛てがい「──とっても綺麗だよ、本当に。贈り物って何を貰っても嬉しいけど、やっぱりこうやって目に見えて私の事を考えてくれたんだって思えるものは特別嬉しいな。…ありがとうジュリー」ぽつり、ぽつり、幸せを吐き出していきながら最後、花弁から静かに指先を離しそのまま相手へとその手を伸ばして )
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