人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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(結界に守られ外壁は見事に苔むした洋館の一室にて、昨日も時間を忘れ研究に没頭しては寝室では無くソファーの上で瞼を閉じ意識を手放し、再び目を覚ました時刻はやや遅れた昼下がり時。閉めきったカーテンから漏れ出す日の光は眩しく、寝起きによって不機嫌さにさらに拍車の掛かった瞳は自然と鋭さを増しつつ、横になったままの体勢で"はぁ"と思わず内心の憂鬱を吐き出すようなため息を一つ。その原因は言わずもがな今日が相手との約束の日が来てしまったからであり。寝癖のついた髪はそのままに軽く食事を胃袋に流し込み、使い魔の梟が相手の訪れを知らせてきてはヨレヨレのローブのフードを被り直し、まだ寝足りないと主張するかのように気だるい体を引き摺るようにして館から森の中へと歩みを進め。やがて嫌でも聞き慣れてしまった声が鼓膜を揺らしたならば、条件反射的速度で眉間に深い皺を寄せ「馬鹿は風邪を引かないと言うが、それは迷信では無かったのだな」視界の正面に相手の姿を捉えつつ、気温の変化を感じさせる冷たい風が相手の体調を崩させる事を期待していたような残念さを滲ませた言葉を送り「はぁ……、嘆いても仕方ないか。行くぞ」首を左右に振って独りごちっては、くるりと体を反転し相手に背を向け、木々の間を通るようにして今日の目的地へと歩き出し)
(/此方こそありがとうございます!はい宜しくお願い致します。ではでは、背後は失礼致しますね!)
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