人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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っ五月蝿い、喚くな!俺は貴様の事なんぞ大嫌いだ
(問いかけへの返答をしたというのに、まるで時間が止まったかのようにピタリと動きを止めた相手。もしや聞き逃したのだろうか、此方としてはもう一度言ってやるつもりは無いと意思を表すように口は閉じたまま、焦れったくなるような間を眉間のシワを徐々に深め、苛々とした面持ちで過ごし。やがて間の抜けた声が空気にぽつりと落とされ波紋を広げたかと思えば、続いてビリビリと鼓膜を突き破らんばかりの勢いと歓喜に満ちた声が辺りに響き回り。杖を持たない左手で思わずフード越しに耳を押さえては、その声に負けじと自分も声量を上げ、今現在心の底から沸き上がる言葉を返し。「くれぐれも勘違いするなよ。その方が俺の利になるからそう判断したまでだ。──用が終わったならば、速やかに立ち去れ」相手の熱意に負け揺れ動かされ絆されたわけでは無く、己が得るメリットが決め手だと主張しては、くるりと振り返り。願いは聞いたが、だからといって相手が森に居る事を良しとしない言葉を変わらず告げては、居心地の悪さから早くこの場を立ち去るべく帰路へ向かおうと足を動かし。すると二人の声に反応してか眠りについていたはずの妖精は『ん……』と小さな唸り声を上げ、閉じていた瞼をゆっくりと開いてはぼんやりと、緩慢な動作で瞬きを繰り返しては横になったまま焦点の合わない眠気眼を右へ左へと揺れ動かし、目を覚まし)
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