人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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──ちゃんと生きてる…。
( 己が触れる事で傷が酷くなったりする事を危惧していたも、触ってみろと言われれば伸ばした人差し指だけで擦り傷の目立つ頬に静かに触れ。指先からは確かに生きている者の温かみが。それに酷く安堵しては、続けて極力振動を与えぬよう壊れ物を扱うかの如くゆっくりと両の手の中へと小さな体をおさめ。そんな中で砕け散る魔法本が視界の隅に映るも、今更それが惜しいとは欠片も思うはずがなく、繋げるようにして問われた問い掛けに一度唇を噛み締めてから「ジュリーはやめた方がいいって言ったのに、私が一回だけって聞かなかったの。……もし何かあってもその反動が私に来るんだったら、それで魔法使いさんに会えるんなら構わないって思った…。ごめんなさい」視線は手の中のジュリーに向けたまま、今更何を繕い言い訳する事があろうか。最後に紡いだ謝罪の言葉まで全てを嘘偽り無く話しては「──ジュリー、痛い思いしたよね…」左手にその小さな体を移して右手の人差し指で汚れ縺れてしまった髪の毛を優しく優しく、今度は魔法などではない、どうか気持ちが届きますようにと言わんばかりの真剣な、それでいて申し訳なさそうな表情で繰り返し撫でて )
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