人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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( 自分が無闇に触れる事で更なるダメージを与えてしまうかもしれぬと思えば下ろした手を今一度持ち上げる事は出来ず、強く強く、掌に爪が食い込みうっすらと血すらも滲むくらいに拳を握り締めながら震える唇で何度も何度も、目を覚ましてくれと願いながら名前を呼び続け。それからどれくらいの時間が経っただろうか、ふいに背後より聞き覚えのある声が響けば弾かれたように振り返り。「っ、魔法使い…さん…」そこに居たのは紛れも無く会いたいと願い、この魔法を発動しようと思った相手。途端にこの状況をもしかしたら何とかしてくれるかもしれないと言う浅い期待と、大きな安堵が胸いっぱいに広がり双眸にはみるみるうちに涙が溜まり「助けて…っ…」問われたものではない答えの代わりに嗚咽と共に出た言葉は地面に倒れる妖精を助けてほしいと懇願する言葉で。後はもう相手に縋るしか方法を見出す事は出来ずにいて )
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