人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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(意識さえあれば相手の悲痛な呼び掛けに答えようとするだろうが、爆発の衝撃により気を失ってしまった妖精は物言う事無く、瞳を伏せたまま苦悶の表情を浮かべては浅い呼吸を繰り返しており)
(一方その頃、魔法使いは洋館にて机と向かい合うようにして椅子に腰掛け。無音の空間の中、目の前に広げた本に書かれた文字の羅列を瞳で追いかけ、添えていた片手を動かしペラリと音を立て次のページを捲っては、また黙々と読み進めると言う一人きりの読書の時間を楽しんでおり。そんな最中音は聞こえなくとも、遠くからまるで魔力が爆発したような衝撃の余波を僅かに感じ取れれば、窓の外に顔を向けピクリと眉を動かし。使い魔に相手が森に来ても報告はしないで良いと言った手前、確証は無いが悪い予感めいた想像が働けば、無視を決め込み放置した場合もたらされる、自分にとって面倒な未来が嫌でも頭を過れば不快感から眉間に皺を寄せ、壁に立て掛けていた杖を手に取り、外していたフードを目深に被り直しては外に出掛ける準備を整え。転移先はおおよその方角を指定し呪文の言葉を紡げば、瞬く間に見慣れた森の中が視界に広がり。そこから魔素の乱れを辿り、迷う事無く湖へ到着し辺りを見渡しては、途方に暮れた様子の相手の背中と、紫髪を地面に広げ倒れ伏した、嫌でも見覚えのある妖精の姿を発見し。「やはり、やはり貴様が原因か。迷惑極まりないな……一応聞くが、そこで何をしている。」予想が的中した事に不機嫌さを含んだ低く声音で言葉を放っては、静寂な辺りに反し、隊列を乱し纏まりを失ったかのようにざわめく魔素と現状におおよその検討は付くも、相手を気遣う言葉では無く、何が起きたかを確認するような質問を問いかけ)
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