人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
通報 |
死ぬまでって……そこまで大切にするような物?ヨルはいちいち大袈裟ねぇ
(自分の最後までただの紙の束であるそれを大事に抱えていくのかと、ますます募る不機嫌さを声音に乗せて運び。しかしそれも相手らしいかとも思えば、表情は呆れた風に変化させ。「私はただ、ヨルの頑固さに負けただけよ」軽快に紡がれる煽てるような調子の良い言葉達が鼓膜を通りすぎればくすりと笑いながら、自分は相手の根気強さに折れただけだと首を左右に緩やかに振り。「当ったり前じゃない!彼奴が右も左も分から無い余所者だった頃、私がせっかく親切に声を掛けてやったのに、やれ気が散るとか邪魔だとかばっかり言ってきて、もう可愛くないったらありゃしないわ!あれからずっと大嫌いよ!」嫌いの言葉に力強く頷き、それをきっかけに表情を怒りへと一変させては興奮した様子で、今思い出してもムカムカする最悪な第一印象だった事を甲高い声で主張し。思いの丈を叫んで漸く落ち着きを取り戻せば、一度深呼吸し息を整えてから「ふぅ……すっきりした。で、何だっけ?あぁその魔法どっちもあるわよ。水の中は魚が居て危険だし、空を飛べる私からしたらあまり魅力は感じないけどね」なんて事は無いとでも言いたげな調子で問い掛けに答え。自分も相手と同じく湖へ視線を落とすも、湖面の冷たさを運ぶ風が肌に吹き付ければ、両手で自分を抱き締めるようにして腕を擦りつつ、暖を取るべく相手の真っ黒なローブのフード部分に入ろうとし)
トピック検索 |