人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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少なくとも貴様よりは生きているし、知識の探求も怠った事は無い。……だから人間は愚かなのだ。肝心な時に大事な事を忘れ、同じ過ちを何度も繰り返す
(己の正確な年齢は覚えてはいないものの、相手より上なのは当然の事で。自分から見ればやはり軽薄に映るへらりとした笑みや言葉に、目の前の相手を通し人間達の歴史を思い浮かべれば、梟の体は嘴を開きため息に似た動作を行い。「どう違うと言うのだ。俺には理解出来ん」相手の主張にはやはり無策じゃないかと、呆れたような声音で返し。「契約外の事はやらん、他の奴を当たれ。──ハッ、干からびるなら勝手に干からびろ。そうなれば俺は面倒な事をせずにすむ」さらなる要求を飲ませようとした事に対してはきっぱりとそう断言し。相手の不満げな冗談には昨日今日会ったばかりの相手に何を言っているのかと一笑に付した後、むしろ好都合だと続け。「それに用は無い。捨てるなり燃やすなり食うなり好きにしろ」枝に花を預けようとする相手を、梟の黒い瞳が冷たく見下ろせば、色を確認した後、興味が失せたかのように上記を言い放ち。残念ながら課題は達成されてしまったが、これで用事は済んだと判断すれば、だんだんと夕闇が広がっていく空を見上げた後、そろそろ梟を館に帰すべく、翼を広げては羽ばたこうと動かし始め)
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