人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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(面倒臭がりな主人の命により、己にはいささか眩しい夕陽が輝く中、熟れた木の実があれば途中腹ごしらえをしつつ周辺の鳥達に聞き込みをし、その情報を頼りに木々の間を縫うようにして音もなく進んで行き。やがて騒がしく誰かを探す相手の声と荒い足音が耳に入れば、方向転換しそちらへと向かい。漸くその姿を見つければ、近くの木に止まり相手を見下ろしつつ、自分の存在を伝えるかのように一つ鳴いてみせ、主人と自分の見ているものと声の感覚を共有させ。「──あぁ、ご苦労。おい、ガキ、何故いまだこんな所に居る。もうすぐ日が暮れるぞ、さっさと諦めてガキは家に帰れ。狼に食われたいのか?」もし相手が此方を見たなら、梟からラウルの声が発せられたように見えるだろう。使い魔と感覚を共有したラウルは、梟の目を通し相手の姿を見据え、緑色に染まった花には気付かぬまま、不機嫌さを隠す事無く幾分か低い声で警告の言葉を述べ)
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