人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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その魔女がどれだけの力を持っているか知らないけど、奴等が対価と交換に契約を結ぶ事柄に嘘は付かない筈よ。紛い物や、条件から外れた品を差し出せば、違反とみなされ奴等が傷付くだけだもの。……でも、やっぱり私は賛成出来ないわ。奴等の力を借りたいなら、ヨルだけの力で見つけて頂戴。
(自称を除く魔女は、すべからく悪魔と結びついている。力に対する傲慢さ、要求する品への強欲さ。言葉を操り欲を暴食する者。魔法使いへの怒りから魔女への嫌悪に感情が移れば、眉を中央に寄せ顔を顰め。小気味よく合わされた音が洞窟内に響くが、妖精は答えは曲げず、茨を纏うように頑なな態度を保ち。披露した種を見て緩む彼女の表情を見ては、少しばかり声を和らげ「それはハート型の花弁を咲かせるわ。色は環境によって左右されるのだけど、観賞用にしても、花弁を乾燥させて、お茶やお風呂の入浴剤に私達は使ってるわね。」示された赤から花の姿を思い出す。人ではお茶や入浴時に使用するには一輪からでは足りないかもしれないが。小さな体には十分な実りも美も与えてくれるのだと、答えてみせ。あそこ、と視線の誘導を促された方角に顔を向けては、確かに丁度良いスペースがあり。「あら、本当ね。良いんじゃないかしら。私の分は……うん、置き場所には困らないかしらね。水は泉から汲んで使わせて貰いましょうか」良いのではと首肯を返し、辺りをキョロりと見渡す。妖精が持参した物は彼女が持つ器よりも当然小さいミニチュアサイズであり、高所への設置も羽があるが故に雑作もない。片手に広げていた種を袋に一度戻しては、地面に着陸し。カゴの中から茶色い植木鉢を数個並べれば透明な袋に詰め込んできた土を空の器に、シャベルを用いて注ぎ。お喋りな口を動かしつつ、準備を進めてゆこうか)
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