人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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私は正直に言ったまでよ。……ふぅん。エルフが、ね。アイツの手にこの綺麗な景色が奪われるのはムカつくわね。悪魔じみた奴に対抗出来るのは魔女くらいなのは、分からなくも無いけど……。
(厳しいと言われたって仕方ない。背けた顔の位置を正し、彼女の話を静聴。全く同じ気持の共有とは行かないまでも、この宝石の輝きが魔法使いによって失われようものならば。翡翠の瞳の奥でメラリと怒りの火種が燃えるが、やはり魔女の手を借りるのは気が進まない。自分の魔法が対抗策にならない事へも、歯がゆそうに複雑そうな感情を表情に浮かべ。話題が移れば、彼女が手に持った小さな苗や鉢植えに眼を向け「トマトって前に言ってた奴よね。土は……そうね、森の土なら肥料も要らなそうね」こくん、と頷いた後。肩から下げていたカゴから、巾着袋を取り出し。口を締めていた紐を解いては、左手で支え。その中に収めた種を幾つかを右手で掴んでは引き抜き。「私はコレ。灯草みたいに日陰で育ちやすいツェルの花と、日光よりも魔素を取り込んで成長して実るガラポの種に、幸せを呼び込むって言われてるトレーボルルとか……色々持ってきたわ」彼女に見えるように伸ばした片手を開く。妖精なりにこの洞窟内で育ちやすそうな植物を幾つか調べ、後は適当に突っ込んできたようで。掌には黒色の星屑や真紅のハート、白い金平糖のような粒も並んでいるのが見えることだろう)
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