人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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別に怒ってないわ。でもその約束はしなくて良いわ。だってヨル、守れそうに無いもの
(彼女が対価に体の一部を払うのは、彼女の自由だ。自分がその行為を咎めるのは、お門違いかもしないが。ぷいっ、と剥れた子供じみた仕草で顔を背け。破られる未来しか見えない申し出だと、遠慮なく不満を口から零し。「やるならそれが良いでしょうね。水だけって……あぁ、睡蓮みたいな花がこの泉で咲いたら綺麗な気がするわね」天井からは氷柱のような六角水晶が、泉の底にも透き通った水越しに煌めく宝石が秘められている。自然発生しているのを見掛けた事があるくらいだが、水生植物の名を上げ。水面にぷかりと美しい花が浮かぶ様を夢想しては微笑み。視線を洞窟内に戻せば辺りの景色を目で楽しんでいたが、突如彼女が一点に向かって駆け。叫ぶ声が反響すればうっ、と耳を抑え顔を顰め。手招きに応じるように彼女の元まで羽を震わせ距離を縮め。「っ……そんなに慌てて突然どうしたの……って、あら。私達と同じように誰かが採っていった跡のようね。まぁ……、仕方ないんじゃない?」彼女の傍らから視線の先を見れば、すっぱりと綺麗な断面図で一部削られた鉱石があり。魔力の気配がしなければ、それが誰の仕業かまでは妖精は思い当たらず。森に咲く草花とて、見目が良ければ摘まれ花冠やら自宅に持ち帰られることもある。それと似たような感覚で軽く考えていれば、同意を求めるように彼女へと顔を向け)
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