人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
通報 |
ふむ……なるほど、こうなるか
(森の奥深くにある洋館の一室にて。古びた椅子に座り、机の上には資料である本を山積みに、足元には独特な匂いを放つ薬草が、無造作に大量に入った篭を置き。複数の薬草をのせた羊皮紙に魔力を込めたインクで幾つか魔方陣を組み合わせたものを描き、それを発動させれば、薬草は光に呑まれて消え、変わりに黒い種のような物体が現れ。その実験結果を色褪せた背表紙の本に書き記せば、小さく唸りつつも楽しげに僅かに口角を上げ、次の手段を試そうと魔方陣を書き換え始め。「……あ?何だ、飯なら後で良いだろ。──人間の娘?何だそれは」帽子掛けに止まり、置物のように固まり眠っていた使い魔の梟がパチリと目を開けば、目覚まし時計の如く一鳴きし。邪魔をするなと眉間に皺を寄せれば睨むも、すっかり忘れていた相手の存在を指摘されれば、ますます表情を険しくさせ。「チッ、あのくそガキ、まだ帰ってなかったのか!はぁ……歩くのも面倒だ、お前が行け」くわっとさらに瞳を吊り上げれば怒りを込め舌打ちを一つ。それから今は森を歩きたくない、まだ実験を続けたいと思えば使い魔に指示を出し。それに対し梟は了解だと伝えるかのように翼を広げて見せれば、開け放たれたままの窓から外へと飛び出し、広大な森の中、相手を探しに向かい)
トピック検索 |